彼氏の照史の家で初めてのお家デート、と言うのも連日の激務が重なり疲労がピークに達したらしい。
それでも私に会いたい、と言ってくれるのでお家デートの案が上がった
招き入れられた彼の部屋は綺麗に整頓されていて女の私より綺麗すぎる部屋だった
もしどころかすぐ寝た照史
二人並んで座ったソファは少し狭く、隣に座る照史の腕とぴったりくっついていた
それどころか私の方に照史の頭が乗って来た瞬間、映画の内容なんて吹っ飛んでしまった
起きない、困ったな...
虚しく流れるエンドロール、それをBGMにすやすやと眠る彼
疲れてるのを知ってるからあまり起こしたくはない。
でも、体勢がキツそうだ
そう言って私が指してしまったのは自分の膝の上
彼は寝ぼけているのかなんの抵抗もなく膝の上に頭を乗せてきた
私のお腹の方に顔を見けて眠る彼の頭を撫でる
いつも私が頼ってばっかりだったので、彼のこんな姿は滅多に見た事がない
いつまででも、こうしてるよ
逞しい背中、肩、腕。
この体にすっぽり収まることの多い私だけど、たまにはこうして甘えて欲しい。
私だけにみせてくれる、特別な照史
時間を忘れてそうしているとふと照史の手が太腿に触れ、思わずビクッと体が跳ねてしまった。
それに驚いたのか照史も飛び起きた
軽く体を伸ばしながら時計を見る照史。
夕飯にはまだ早い。
私はさっきまで彼の頭があった冷えつつある膝を撫でる
もう一度膝枕をする
今度はもっともっとたっぷり甘えていいよ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。