第5話

起こして 桐山照史
606
2019/12/26 07:53
彼氏の照史の家で初めてのお家デート、と言うのも連日の激務が重なり疲労がピークに達したらしい。
それでも私に会いたい、と言ってくれるのでお家デートの案が上がった
あっくん
あっくん
おお、いらっしゃい!
ほんまなんのお構いも出来んくてごめんな?
楽にしてくれてええから
招き入れられた彼の部屋は綺麗に整頓されていて女の私より綺麗すぎる部屋だった
あっくん
あっくん
映画でも見よか
もし寝てたら起こしてくれてええから
もしどころかすぐ寝た照史
二人並んで座ったソファは少し狭く、隣に座る照史の腕とぴったりくっついていた
それどころか私の方に照史の頭が乗って来た瞬間、映画の内容なんて吹っ飛んでしまった

あなた

......あ、照史?終わった、よ?

あっくん
あっくん
......
起きない、困ったな...
虚しく流れるエンドロール、それをBGMにすやすやと眠る彼
疲れてるのを知ってるからあまり起こしたくはない。
でも、体勢がキツそうだ
あなた

照史、照史

あっくん
あっくん
ん〜
あなた

こっち、ここ乗せていいから

あっくん
あっくん
ん...あなた...
そう言って私が指してしまったのは自分の膝の上
彼は寝ぼけているのかなんの抵抗もなく膝の上に頭を乗せてきた
あなた

...お疲れ様、照史

私のお腹の方に顔を見けて眠る彼の頭を撫でる
いつも私が頼ってばっかりだったので、彼のこんな姿は滅多に見た事がない
あなた

あーきと

あっくん
あっくん
ん...もうちょっと...
あなた

うん

いつまででも、こうしてるよ
逞しい背中、肩、腕。
この体にすっぽり収まることの多い私だけど、たまにはこうして甘えて欲しい。
私だけにみせてくれる、特別な照史
時間を忘れてそうしているとふと照史の手が太腿に触れ、思わずビクッと体が跳ねてしまった。
それに驚いたのか照史も飛び起きた
あっくん
あっくん
......うぉ、あぁ〜、ほんっまごめん!!
あなた

ううん!大丈夫!

あっくん
あっくん
やってもうたぁ〜、起こしてくれてよかったんに...
あなた

気持ちよさそうだったから

軽く体を伸ばしながら時計を見る照史。
夕飯にはまだ早い。
私はさっきまで彼の頭があった冷えつつある膝を撫でる
あっくん
あっくん
......膝枕
あなた

ん?

あっくん
あっくん
や、あなたがええんやったらもうちょっとしてほしいなぁって。
...あかん?
あなた

ううん!する!

もう一度膝枕をする
今度はもっともっとたっぷり甘えていいよ

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