予定を聞かれたと思えば、この文だけLINEに送ってきた彼氏の淳太。
いつも要件だけで終わるLINEで少し寂しかったけど、今日はワクワクした
彼氏を起こしに家に行くなんて、初めてで緊張する、でも楽しみ
指定されたポストから合鍵をとって家に入る。
淳太が住んでるのはすごく大きなマンション
こんな大きいマンションに一人暮らしなんて羨ましいなぁ〜、なんて思いながら玄関の扉を開ける
返事がない。やっぱり寝ているようだ
家に来て起こして欲しいなんて、余程疲れているみたい
一人暮らしにしては広すぎる間取りを見てここで一緒に暮らせたらなぁ、なんて考えて頬が緩む
廊下の一番奥にあるドアを開けて中に入る
ベッドの上でふかふかの黒い毛布に丸まって寝ている彼氏を見つけた
寝顔が可愛くて、思わずスマホを取りだしにやける
全然起きない。
無邪気な子供みたいに眠る彼の頬を指でつつく
すると、その瞬間彼の目が開き私を捉えて眉をは潜めた
私の大好きな声に、寝起きなのが加わって少しかすれてる
そんな声で呼ばれてるせいかいつもよりドキドキする
一緒に寝たいな、なんて思いながらスマホをしまい、ベッドの脇にしゃがむ
ふわふわの毛布を捲り、おいでと言うように自分の隣を手でポンポンと叩く淳太
私は黙って頷く
毛布かけながらギュッと抱きしめられる
私はすっぽり淳太の腕の中
この心地良さを知ってしまったら、寝起きの掠れた声で囁かれてしまったら、もう抜け出せない
見上げた私の右頬を淳太の大きな手が包む。
横髪を耳にかけながら、彼の顔がゆっくりと近づく
私は期待に胸をふくらませて、彼に身を委ねる。
今日は一日、お家デート
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。