メンバーで宅飲みしつつゲームで遊んでいたときだった。
お酒に弱い神山くんが少し酔ったみたいで隣の部屋に仮眠しに行った。
ちなみに私は彼に片思い中です。
照史としげが手を合わせて頼んできた。
そういえばさっき、しげがふざけて起こしに行ったらめっちゃ静かになって帰ってきてたっけ
リビングを出てすぐ右の部屋に寝てるからと言われて、なるべく音を立てないように中に入る。
真っ暗の中、神山くんはうつ伏せになって寝ていた
神山くんの寝顔、かわいい。
いつもは真面目でしっかりしてる彼の静かな寝顔は当然初めて見る
いつもなら恥ずかしくて呼べない彼の愛称。
私はまだ神山さんとか、神山くんとしか呼べていない。
こっそり、呼びたかった名前を口に出して、1人悶える。
起きる気配のない彼をベッド脇で見つめ、起きないでと願いながら言葉を紡ぐ。
言いかけた瞬間、パチッと彼が目を開いた
ゴンッ!と鈍い音を立てて私は後ろの壁に勢いよく後頭部をぶつけた。
あまりの痛さに唸っていると、背丈に合わず大きい彼の手が私の頭に触れた
その言葉にズキリと胸が痛んだ
そうだよね、私は神ちゃんのかのじょでもなわでもないんだから、そう考えたら悲しくなっていく
彼の顔を見れず俯いてると、そっと顎をすくわれた
ドアから差し込む光に、神ちゃんの妖艶な笑みが照らされる。
上から見下ろす彼の瞳に捉われて、視線が外せない。
鼓動は期待を膨らませるようにドクドクと速まる。
そういう彼にそっと抱きしめられた
ふわりと唇が重なった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!