"プルルルルプルルルル"
駿佑くん…お電話かけてます…
誰にでしょうか…?
『……駿?どうしたの?』
やっぱり…
あなたちゃんでした(笑)
『おーい…駿…?』
携帯からは…
だいすきなあなたちゃんの優しい声が聞こえます…
だから…つい…
「……すき。」
『?…//』
電話の向こう側では…あなたちゃん真っ赤です…
駿佑くん…
抑えた思いがあふれでてしまいました…
ほんとは…
飲み会なんていきたくなかったんです…
あなたちゃんといる時間に比べたらどうでもいいんです…
『駿…寂しいの?』
あなたちゃん…
自分がそうなので…
駿佑くんも…
そうだったらいいなって…おもいました。
「…そうだよ」
「寂しいに決まっとるやん…」
「会いたい…」
『……//』
あなたちゃん…
予想以上の駿佑くんの…
甘い正直な言葉にやられました。
あなたちゃんも思いを伝えたくなりました…
『駿…』
「ん…?」
『会いたい…すきっ…//』
「っ…!?//」
「………」
『駿…?』
あなたちゃん…勇気を出していったのに…
反応がなくて…
嫌われたんじゃないかと…
不安でたまりません。
『もう…いわないから…ごめんね…?』
あなたちゃんに勘違いさせちゃいました。
「あっ…」
「違うねん…」
「………」
「あなた…可愛すぎやって…」
「もぉー可愛すぎて…しんどい…//」
『…//』
「帰りたい…」
「触りたい…」
「ちゅーしたい…」
飲み会で相当我慢してたのか…
駿佑くん…おかしくなって…
今の欲求を
呪文のようになんか…いってます(笑)
『…//』
『………』
『…でも』
『行ったのは…駿だよ…?』
あなたちゃん…大人げないとは思いましたが
やっぱり…
いてほしいときにいないのは…
つらいんです…
甘い言葉をかけてもらって…
怖い思いの後味を
駿佑くんにしたかっただけなのです…
「…」
この後…沈黙が続きました。
あなたちゃんは後悔をしました…
駿佑くんに嫌われたら…
あなたちゃん…
ショックで引きこもりです…
それは…駿佑くんもです…
それぐらいお互いに大好きなんです…
『グスッ』
だから…
涙が出てきました。
次は"こわい"の涙ではなくて…
"駿佑くんがすき"の涙です。
………
何か音が聞こえるなと思って…
耳をすますと…
電話から…
駿佑くんが誰かと話している声が聞こえてきました。
「……~ます」
『?』
~
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。