第4話

…すみません…彼女…泣いてるんで。
9,875
2020/03/19 08:38
『?』
電話から聞こえてきたのは…
「僕…帰ります。」
〈おっ…道枝じゃん…何で?〉
駿佑くんとサークルの先輩の会話でした。
『…!?』
あなたちゃん…戸惑いました…
さっきまで…嫌われたかと思っていたので…
駿佑くんの行動にびっくりしたのです…
〈駿佑ー…まだいいじゃんー〉
さっき…


相談にのってたお友達も会話に入ってきました…
まわりがざわざわしています…
人気者の駿佑くんが帰るからです…
女子はみんな…


駿佑くん目当てで来ているのです…
駿佑くん…飲み会に来るなんて…


すごくめずらしいので…
〈帰んないでよー…一緒にのもーよー〉 
酔っ払った…女子の先輩が駿佑くんの腕をつかんで…


構ってアピールしています…
『………』
あなたちゃん…なんだか
申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいました…
いつも…自分のために…
お酒を我慢してるんじゃないかって…
それに…ちょっと嫉妬しちゃいます
言わないだけで…
ほんとは嫉妬深いほうなのです…
そんなことを思っていたら…
駿佑くんが…電話の向こう側で口を開きました…





























「………すみません。」
「おれ…あなた…最優先なんで…」
「彼女が…泣いとるのは…ほっとけないです…」



『…!?』
あなたちゃん…
電話した最初の方から…


泣いているのばれていました…
そして…
駿佑くん…掴まれた腕をそっと離しました…
やっぱ…


あなたちゃん以外のボディータッチは


受け付けないみたいです…
〈え…あっ…あなたちゃん…?〉
駿佑くんの爆弾発言で…
さっきより…まわり…ざわざわします…
〈ごめん…駿佑…かえっていいよっ…〉
〈はやくっ…はやくっ…〉
急にみんな焦り出しました…
『…?』
あなたちゃん…不思議でしかたありません…
………
みんなが焦り始めたのは…
駿佑くんがさっきから…
そわそわしてたり…
心ここにあらずだったり…
駿佑くんにしては珍しい長電話をしていたり…
…の相手がまさかの…
"あなたちゃん"だったからです…
二人のことを…
邪魔しようなんて思うひとはいません
だって…
あんなにお互いに"好き好きオーラ"が出てたら
誰も間になんか入れないから…
駿佑くんがあなたちゃんを溺愛してるのは…


みんな知っていることです…
その…
あなたちゃんが泣いているのは…


相当やばいと感じたようです



〈ほんとにっ…ごめん。泣〉
さっきの先輩も酔いが覚めたようで…
めっちゃ頭を下げてきました。
多分…
もう…駿佑くんを
飲みに誘う人はいないと思います…
(笑)



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