『姫…?』
私の聞き間違えだろうか。
今くろおさんの口から「姫」という言葉がでたのは。
…いや、きっと私の聞き間違えだ
そう、きっとそうだよね。
いや、そうであってくれ
「そう。姫だ。お前には猫の姫になってもらいたい」
________そう思いたかったのに。
くろおさんはきっぱりと言ったのだ。
『……なんで私なんですか?』
頭の中がこんがらがって、なにがなにだかよくわからないけど、とりあえず最初に疑問に思ったことを質問した
リ「他の女子はみーんな顔だけで寄ってくるから!!
ですよね!黒尾さん!!」
「ん?まあ、そうだな」
くろおさんに質問したつもりだったが、隣にいるリエーフが代わりに答えてくれた
『(顔、ねえ…)』
確かにみんな顔が整っている。
目の前にいるくろおさんだって、髪型はすごい(トサカ)けど、顔は整っていると思う。
これじゃ女子が寄ってきてもおかしくないだろう。
_____だけどね私は。
『姫、やりたくないです』
厄介事に巻き込まれるのが一番嫌なんですよ。
それに私は
自由を愛してるから
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!