第66話

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2022/11/16 04:23
あなたside




おいかわ「あなたちゃんが自己紹介したわけだし俺達も自己紹介しよっか!!」




ねっ、あなたちゃんもしてほしいよね???

とニコニコした表情でおいかわさんに問いかけられた
ニコニコ、と言っても …なんだろうか、裏のあるような笑い方である。


『(…これは断れない、か)』


それはなんとも"NO"と言えない雰囲気であった
正直興味もないし、私には一がいれば十分である。



『…はい』



しかしおいかわさんの"NO"と言わせない笑顔に負けてしまい、私は力弱く返事を返した






おいかわさんはその返事を聞いて「うん!」と満足そうに笑った


『(なんだ…普通に笑えるじゃん)』


先ほどとは違った無邪気な笑い。
無邪気に笑うおいかわさんを見て私も少し頬が緩んだ







『(だからと言って自己紹介はいらないけど)』




だって、一以外と関わる気なんかさらさらないから


そんな思いとは裏腹に



じゃっ俺からね!!!


と、おいかわさんが言葉を発した


『(こんなたくさんの人一気に覚えられるかなあ…)』



生憎 私は興味のないものは基本覚えない体質なのだ
まあ興味がなくとも 嫌でも絡まれたりすれば流石に覚えるけど。



『(猫、とか烏とか、ね…)』


私がそんなことを考えているうちにおいかわさんから自己紹介が始まった


おいかわ「このグループ、青葉城西のリーダー、及川さんの名前は徹!及川徹だよ!!とおるくんって呼んでいいよ〜!!!!」


及川さんがウィンクとともに私に向かってそう言葉を発した
それを見た一が及川さんを叩く



ギャンッッ と情けない及川さんの声が聞こえた


『(あれは痛いだろうな、、)』

私は無意識に及川さんに同情の目を向けていたようで及川さんに「そんな目で見るなら岩ちゃんのこと止めてくれる!?」とツッコまれた


他の人たちはこれが当たり前のようで全員ガン無視である




岩「るせぇ!!!」



及「ぎゃっっっ」






……一も一で大変なんだな





私は心の中で静かに一にも同情した




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