あなたside
あれから一には下ろしてもらい、今は自分の足で歩きながら一とおいかわさんと城西グループへと向かっている
誰かが隣をすれ違う度、チラチラ見られたりしていていい気分ではない。
…しかし、まあお姫様だっこの状態で誰にも会わなかったことが奇跡だったのだろう。
・
((ぴたッ
歩いてから3分弱。
私の前にいたおいかわさんが立ち止まった。
隣を歩いていた一も止まった。
立ち止まった理由なんてわかっている。
『(ここが城西グループ…)』
城西グループの集まり場についたのだ。
おいかわさんは後ろにいる私を見ながら、「ここが青葉城西グループの集まり場だよ」と笑顔で言った
その笑顔に少し恐怖心を抱きながらもコクンと頷いた
そんな私を見てか、一は私の頭をぽんぽん撫でた
『…っ』
びっくりしながらも一の顔を見れば、とても優しそうな顔で「大丈夫だ」とでもいいそうな表情で私を見ていた
そんな一に答えるように私も笑顔で微笑み返した
……というよりは、勝手に頬が緩んだの方が正しいが。
おいかわ「あなたちゃん、そんな緊張しなくていいよ!ちょっと気の早いやつもいるけど気にしないで!」
とおいかわさんが言ったあと「…入るか」と一が私の方を見て言った
一の言葉に頷きながら、城西グループのドアを開けて一とおいかわさんと一緒に中へ入っていった______________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。