潔子side
今日、私達男子バレー部三年生は、通称『スガあなた』カップル予備軍を成立させるべく、中庭(あるか知りません←←)へ集まってお弁当を食べていた。
あなたちゃんは鈍感だ。
誰がどう見ても鈍感だ。
前、菅原がポロッとあなたちゃんに『好きだ』と呟いてしまったことがあった。
その時ですら、頭上にハテナマークを浮かべ、ぽかんとした表情で『何がですか?』と聞いていた。
流石に、そこにいた他の部員も、コーチも先生も全員が気付いたのに本人だけが気付かない。
まあ、そのお陰で菅原があなたちゃんを好きってことは部内に知れ渡っていて。
何かあるたびに、スガあなたがいつくっつくかの話をしている。
勿論、これにもあなたちゃんは気付かない。
澤村も人のこと言えてないし。
結局は私達あなたちゃんセコムなんです。←
一つしか歳が離れてないとは思えないくらい、真っ直ぐで純真で明るくて。
色で言うなら真っ白って感じ。
何ていうか…
守りたくなる感じ。
だから部員みんなに可愛がられてるんだろうけどね。
その日はそのままあなたちゃんの可愛さについての話題になって。
一番盛り上がった時になんと。
通りがかった月島と、そんなことない風を装っていた山口にもドン引きされた。
(しょうがないよね、可愛いから)
私達の大切な妹だから。
菅原とうまくいきますように…
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。