第10話

マネちゃんズの休日
766
2021/01/22 10:28




ある休日。







烏野高校男子バレー部マネージャーの三人は、女子会をするべく某カフェに集まっていた。



清水潔子
清水潔子
何か…この三人でゆっくりするのって初めてじゃない?
(なまえ)
あなた
そうですねッ✨
女子会しちゃいましょ!!!!
恋バナとかッ
谷地仁花
谷地仁花
あ、いいですねいいですね!
…でもこんな可愛い先輩方と女子会なんて暗殺されちゃうんじゃ!
清水潔子
清水潔子
それは大丈夫だから、安心して?
(なまえ)
あなた
むしろ、私なんかより、潔子さんはモチロンやっちゃんの方が可愛いと思いますよー?
谷地仁花
谷地仁花
ふぇっ、そんな事ないですないです!
あ、ホラ、恋バナしましょう!
女の子らしく、恋バナしちゃいましょう!!




分かりやすく話題転換をしたやっちゃんにすこーし苦笑しながらノってあげる。





(なまえ)
あなた
潔子さん、好きな人とかいないんですか〜?
清水潔子
清水潔子
好きな人…か。
一緒にいて楽しい人ならいるけど…







私とやっちゃんに衝撃が走る。









谷地仁花
谷地仁花
だだだだだだだ誰、あいやっ、どちら様ですか!?
(なまえ)
あなた
おおおおおおおおお教えてくださいッッッ








分かりやすーく動揺した私達に、潔子さんは普通に答える。






清水潔子
清水潔子
バレー部の皆。
一緒にいて、ずっと飽きない






肩透かしな答えのはずなのに、何だろう。










(この嬉しさ_反則ッッッッ!!!!!)












ズギャン!と撃ち抜かれた私とやっちゃん。







(なまえ)
あなた
一生着いていきます潔子さん…
谷地仁花
谷地仁花
やっぱりこんな素晴らしい方々と女子会なんて罪深かったぁぁぁぁぁっ
清水潔子
清水潔子
もう、何言ってるの二人とも…
あ、ほら、あなたちゃんは?



急に振られるとは思わず、驚く。





(なまえ)
あなた
好きな人は…いないですよ?
谷地仁花
谷地仁花
あ、あの、じゃあ、三年生で一番付き合ったら楽しそうな人〜とか、二年生で〜とか、一年生〜でとかならどうですかッッ?
清水潔子
清水潔子
あ、それいいかも。
一年生だと?




一年生で、もし付き合ったら楽しそうな人…









“楽しそう”か…








(なまえ)
あなた
ツッキーですかね!





そういうと、二人が静かに衝撃を受けていた。




清水潔子
清水潔子
そうなんだ…
日向とかかと思ってた
谷地仁花
谷地仁花
私もですッ
(なまえ)
あなた
ツッキー、もしそうなったら凄く大事にしてくれそうだし。
一緒にいて楽しいですからッ!


そう言うと、二人はふんふんと頷いて、二年生だと?と聞いてきた。




(なまえ)
あなた
そうですねぇ、二年生だと…
夕くんですッ✨
清水潔子
清水潔子
西谷、なんだ
谷地仁花
谷地仁花
何か、少し意外な方が続きますねぇ



そう言われて、少し照れ臭くなって笑う。




(なまえ)
あなた
夕くんは、単純にずーっと笑顔にしてくれそうだから…ですかね。
普段から、一緒にいて楽しいですッ!
清水潔子
清水潔子
なるほどね…
それは言えてるかも
谷地仁花
谷地仁花
西谷先輩は、ひたすらムードメーカーって感じですよね!





少しだけ夕くんの話題で盛り上がり、そのあと三年生を聞かれた。



清水潔子
清水潔子
(大本命の三年生…
菅原、絶対あなたちゃんから聞き出して見せるから)
谷地仁花
谷地仁花
(やっぱり菅原先輩なんでしょうか…
凄くいい感じなお二人ですし…✨)






何だか、久しぶりに感じる感情だった。










頭に浮かんでいた顔は、スガ先輩で。














天元様に抱いていた感情みたいな。















(天元様…
あ、今のお父さんだから、包容力があって、お父さんっぽくて頼りになるってことか!)






(なまえ)
あなた
スガ先輩ですッ!
お父さんみたいで包容力ある(と思う)し、お母さんみたいに優しいし…
部活だと、一番一緒にいて楽しいかもです✨




なぜか、二人が深ぁくため息をついた。


清水潔子
清水潔子
(…駄目か、自分の気持ちに鈍感なタイプ…
菅原、ごめん。
でも、脈なくはない!)
谷地仁花
谷地仁花
(菅原先輩は完全にあなた先輩のこと好きだと思いますし…
菅原先輩、頑張ってくださいね!!!)




その日の女子会は、その後はもう部活のことや他愛のない話で盛り上がり、楽しい一日を過ごしたのだった。











***

潔子side









『ってことで、ごめん菅原』

『いや、いいべいいべ!
 そこまで聞けたってことだけで十〜分』

『ならいいけど…
 あなたちゃん鈍感だから、めげずにどんど
 んアピールしなね』

『分かってる!
 一応色々考えてるしなぁ』

 




実は、今回の女子会を企画したのは私と菅原だった。











その日の夜、LI○Eで菅原とやりとりしていた。











私は、女子目線で話を聞かせて…と元々相談されていて、二人を応援していたから。








役に立ちたい一心で頑張った。











それに、と付け加えた菅原の言葉に胸が暖かくなる。








そういうことをサラッと言ってしまう菅原に、少し羨ましいような聞かされて恥ずかしいような気持ちになる。










(この二人、本当に上手く行って欲しいな)







頑張れ、菅原。








そう心で呟いて、その日のやりとりを終わりにした。


















『それに、俺、あなたのそういうところも全部ひっくるめて好きなんだべ!』

プリ小説オーディオドラマ