ある休日。
烏野高校男子バレー部マネージャーの三人は、女子会をするべく某カフェに集まっていた。
分かりやすく話題転換をしたやっちゃんにすこーし苦笑しながらノってあげる。
私とやっちゃんに衝撃が走る。
分かりやすーく動揺した私達に、潔子さんは普通に答える。
肩透かしな答えのはずなのに、何だろう。
(この嬉しさ_反則ッッッッ!!!!!)
ズギャン!と撃ち抜かれた私とやっちゃん。
急に振られるとは思わず、驚く。
一年生で、もし付き合ったら楽しそうな人…
“楽しそう”か…
そういうと、二人が静かに衝撃を受けていた。
そう言うと、二人はふんふんと頷いて、二年生だと?と聞いてきた。
そう言われて、少し照れ臭くなって笑う。
少しだけ夕くんの話題で盛り上がり、そのあと三年生を聞かれた。
何だか、久しぶりに感じる感情だった。
頭に浮かんでいた顔は、スガ先輩で。
天元様に抱いていた感情みたいな。
(天元様…
あ、今のお父さんだから、包容力があって、お父さんっぽくて頼りになるってことか!)
なぜか、二人が深ぁくため息をついた。
その日の女子会は、その後はもう部活のことや他愛のない話で盛り上がり、楽しい一日を過ごしたのだった。
***
潔子side
『ってことで、ごめん菅原』
『いや、いいべいいべ!
そこまで聞けたってことだけで十〜分』
『ならいいけど…
あなたちゃん鈍感だから、めげずにどんど
んアピールしなね』
『分かってる!
一応色々考えてるしなぁ』
実は、今回の女子会を企画したのは私と菅原だった。
その日の夜、LI○Eで菅原とやりとりしていた。
私は、女子目線で話を聞かせて…と元々相談されていて、二人を応援していたから。
役に立ちたい一心で頑張った。
それに、と付け加えた菅原の言葉に胸が暖かくなる。
そういうことをサラッと言ってしまう菅原に、少し羨ましいような聞かされて恥ずかしいような気持ちになる。
(この二人、本当に上手く行って欲しいな)
頑張れ、菅原。
そう心で呟いて、その日のやりとりを終わりにした。
『それに、俺、あなたのそういうところも全部ひっくるめて好きなんだべ!』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。