第4話

# 4 『いつかきっと』
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2018/10/31 11:56
仕事をぱぱぱっと終わらせ、
はじめさんと一緒にはじめさんのおすすめのお店に行った



『すみません、あんまりおしゃれな場所とか全然知らなくて居酒屋になっちゃって』

「いえ、私もその方が気が楽です。
おしゃれなところってどうしても緊張しちゃって」



1番奥のテーブルに案内され、
2人ともお酒はあんまり飲まないからチューハイとおつまみを少し頼んだ


どうしよう、はじめさんとご飯に来たはいいものの……


何を話していいか全く分からない


こんな事考えても変に緊張するだけなのに、もうっ!!


心の中で葛藤していると、
急にはじめさんがくくっと笑い出す



「ど、どうしたんですかっ」

『いや、石神さんが緊張してるなって…。
大丈夫ですよ、何も緊張する事なんかないです』



運ばれてきた枝豆をつまみながら言う


改めてこうやって近くで見ると、ほんとにイケメンだ


顔全体が整っているし、
高身長で優しいなんてそりゃあ女の子たちが狙うわけだ


でも………


私もはじめさんに恋をしてしまった1人


はじめさんに私が不倫をしている、なんて伝えたら
はじめさんはどう思う?


軽蔑した目で私を見る?


もう二度と口をきいてもらえない?


そう考えると私の悩みを話すのなんか到底無理だ



「はじめさん、」



チューハイに口をつけようとしていたはじめさんを呼ぶ



「いつか、いつかきっと私ははじめさんに悩みや隠し事を全てさらけ出す時がきます。
その時は、私を突き放さずに、ちゃんと受け止めてくださいね」



なんて意味深な事を言う私


はじめさんはキョトンとしていたけれど、
すぐ笑顔になって頷いてくれた

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