第10話

# 10 『愛しくて』
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2018/11/04 03:25
~ はじめside ~





UUUMに動画クリエイターとして所属して、
異性のクリエイターさんやUUUMの社員さんなど何人か付き合ってきたけれど


全員「はじめしゃちょー」が好きなのであって、
「はじめ」としては見てくれなかった


有名な俺が隣にいる優越感を感じていたんだろうか


そう気付いた時はもう異性との恋愛に冷めていて


俺に猛アプローチしてくる人がいても何とも思わなくなっていた















そんな時に入社してきた潤さん















ちゃんと俺自身を見てくれていた


はじめしゃちょーじゃなくて


自分の勝手な都合だけでもなくて


ただ真正面からぶつかってきてくれた


淡い恋心がまた芽生えてきて


一緒にご飯に行けたりして幸せだった


あなたが不倫をしていたと聞いた時は衝撃的だったけれど







「私は………はじめさんが好きです」







俺にそう言うために


自分で抱え込んで


1人だけ辛い思いをしてまで


俺を選んでくれた事が嬉しかった


同時に、
潤さんを離したくない


そう思った















『………っ、』



カーテンから差し込む光の眩しさと、
右腕の痺れで目が覚めた


左手でカーテンを閉めて右を見る


そこには俺の右腕を枕にしてスヤスヤと眠る潤さんの姿


色っぽい肩をむき出しにして、
ふんわりカールした髪の毛とすっぴんの綺麗さが余計に色っぽさを増した


これが幸せか


俺はそっとほっぺにキスをする



「……ここじゃない」



潤さんはいつの間にか起きていて、
人差し指で俺の唇をなぞる



『朝からする?』

「仕事どうすんの」

『俺が送ってくから大丈夫』

「もう、バカ」



そう言いながらも嬉しそうな潤さん



『潤って呼んでもいい?』



そう俺が言うと顔を赤くしながらも頷いた


ああもう、かわいい



「じゃあ私もはじめって呼ぶ」



そう言って俺にキスするんだから



『また理性吹っ飛ばせるような事する!
仕事できなくなっても知らないから』



そう言ってまた熱い朝を始めた──

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