僕はあなたをおいて先に教室に来ていた
いつもはあなたと一緒に来てるからなんとも思わなかったけど、一人の時間って案外退屈なんだなって思い知らされる
一人の時間は退屈でしょうがなかった
早く来ないかとドアの方をチラチラ見てるとあなたが教室に入ってきた
僕は手を振りながらあなたを出迎えた
あ、あなた怒ってる
なんだかんだいっていつも許してくれるんだよね。
でも……
僕があなたと話してると
僕の相方兼親友(?)のさとみくんが教室に入ってた
えぇ、でも僕全く気づかなかったよ??
さとみくんの影薄すぎでしょ((
さとみくんがあなたに話しかけるとあなたはびっくりしたのか、肩をビクッとさせてこちらを振り向いた
ん?朝ぶつかったってどういうこと?
さとみくんは笑顔で自己紹介した。男の僕がみても
イケメンだなぁ…
ホモじゃないよ?(((
あなたが自己紹介するとさとみくんの顔がほんのり赤くなっていた
さとみくん今絶対あなたのことかわいいって思ったな。絶対思ったな。まぁあなたは天然水並みに天然だから気づいてないんだろうけどさ…
さとみくんがあなたのことをかわいいって思っているって思うとなんだか心がモヤモヤする…
僕はさっきからなんであなたがあんなに遅かったのか気になっていた
んぅ…あなた今
きゃー♡なにこのイケメン♡めっちゃかっこいいんですけど♡私恋しちゃった♡
って顔してやがる…。※ころちゃんの想像です。
ちょっとからかっちゃお( ^ω^ )
やばいあなたから殺気を感じる…
あ、あなた笑ってる。よかったぁ
僕達これでも幼馴染だよ??え、忘れてたって?
ふざけんな((
さとみくんいつもの独特な笑い声で笑っていた
あなたは笑いを堪えられず肩を震わせながら笑っていた
その後みんなで笑っていると先生が来てHRが始まった
出席を取り終えると先生が話し始めた
先生が今日の予定とかを話していた
どうせあなたはまた聞いていないんだろうと思いながら隣をチラッとを見てみると
案の定頬杖をつきながら窓の外を眺めていた
あなたは自覚ないんだろうけど結構画になってるよなぁ。この姿
あなたは急に自分の名前を呼ばれてビックリしながら先生の方を見た
あーあ。目つけられちゃったw
僕は心の中で笑いながらドンマイとあなたを励ました
聞いてないって認めてればよかったのにww今あなた絶望的な顔してるんだろうなぁw
すると横からこれまでにないほどの視線を感じた
チラッと横を見ると思った通り、あなたが助けの視線を僕に向けていた
こうなったら……
意地悪したくなっちゃうよねぇ…ニヤッ
お、あなたの顔焦ってるねぇww
あ、言ったな?言ったな???(大事な事なので2回)
僕はそう言ってぷいっと違う方を向いた
せっかくチャンスあげたのになぁ。
まぁ、これもあなたのせいだもんね。
グイッ グイッ
制服の袖を引っ張られあなたの方を向くと
あなたは涙目で僕を見つめていた
なにその顔。今までそんな顔したこと無かったよね?
不意打ちはさすがにやばい……
これ以上その顔で見られると僕が耐えられない…
僕は答えを口にした
あなたはさっきまでの表情とは裏腹にドヤ顔で答えた
周りのみんながクスクス笑いながら二人の会話を聞いていた
あなたはギリギリで怒られるのを回避し、安心しているようだった。
するとあなたがチラッと横を向いて
満面の笑みを浮かべてお礼をしてくれた
僕は急に恥ずかしくなってきて横を向きながら返事をした
そこから僕達の会話は途絶えた
あーあ。僕今顔真っ赤なんだろうな。
自分でも分かるくらい顔が熱い。なんでこんなこと考えちゃうんだろ。
あなたは僕にとってただの幼なじみだったはずなのに…
そんなことを考えているとHRが終わっていた
人に言っておいて自分が聞いてないなんて……。
僕も人のこと言えないな
休み時間になるとあなたが椅子に座ったまま僕に近ずいてきた
あなたは僕が体調でも悪いと思って言ってくれているのだろうけど…
あ、怒っちゃった。まぁ今のは僕が悪いんだけどね
あなたは自分の机に戻ってそのまま外を見ながら机に突っ伏してしまった
…こうして見てみるとあなたの髪って綺麗だなって改めて思う。変態じゃないよ?((
僕はあなたの隣に行き髪の毛を触った
……やっぱりあなたのド天然には叶わないよなぁww
あなたの髪の毛って触り出すと楽しくてずっといじってられるんだよね〜ww
小さい頃とか触りすぎてよく怒られてた気がするなぁ
気づけばもう少しで授業が始まる時間だった
あなたとグチグチ話していると先生が教室に入ってきた
先生が呼びかけるとみんな素早く席に着いた
先生の言葉でみんな教科書を始めた
僕も教科書を開き始めると隣からガサガサと音が聞こえた
ん?さっきからあなた机の中漁ってなにしてるんだろ。なんか顔ヤバいけど。
まさか教科書忘れたとか?いや、あのあなたでもさすがにそれはないかwww
早速あなたが目をつけられた
…………はぁ…。
あなた流石にそれはやばいよ………。
先生も同じタイミングでため息をついた
そして次に先生は僕に目を付けた
…なんか嫌な予感がする。
僕の予感は見事に的中してしまった…。
あなたはめんどくさそうな顔をして近づいてきた
え、なに。あなた全然感情入ってないんだけど。だる。
僕が悲しみに暮れているとあなたは僕を無視して窓の方を見てしまった
あなた何考えてるんだろ。
あなたの綺麗な横顔を眺めていると何を考えているのか気になってしまった
もしかしてさとみくんのこと考えてるのかなぁ。
僕は今日の朝のこともありさとみくんのことを考えているのだろうかと思い、なんだかモヤモヤして寂しいという気持ちでいっぱいになった
…なんかやだなぁ。あ、そうだ。
話しかけたらさとみくんのこと考えないよね!!
僕はそう考えるとすぐにあなたに話しかけた
あなたはいきなり呼ばれてびっくりしたようにこっちに振り返った
あなたって僕がこういう顔するとなんか優しくなるんだよね。ふっふっふ〜。ちょろいぜ☆((
あなたは動揺しているようだった。
よし、ここまで来たらもうさとみくんのことは考えてないでしょ!!ほんとちょろいなぁ〜w
気がつくと授業は終わっていた
んー。でも正直あなたってさとみくんのことどう思ってるんだろ
僕はボーっとしているあなたの横に寄った
やっぱ好印象だよね…。
自分でも分かるくらいしゅんってなったのが分かった。
あれ?なんで僕しゅんってなってるの!?
別にあなたのこと好きじゃないんだけど……
あなたは目を大きく見開いて僕を見ていた
驚いていたようだったが少しもしない間に答えが返ってきた
印象悪いだろうとは思っていたけど直接言われると
心に刺さる…
………………え?
あのあなたがそんなこと思ってたの?
しかも大好きってなに?
どうせあなたはなにも気にしないで言ってるんだろうけど破壊力凄いんだけど。え、なんなの。
僕はどこからか聞こえたバナナという単語を聞きとり現実世界に戻ってきた
僕は叫びながら親友のさとみくんの元へと走った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!