第41話

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2020/08/17 11:52
その日の夜。

亜嵐くん、ご飯おかわりは?
お母さんが聞くと亜嵐はお茶碗を渡した。

亜嵐
うん、食べる
今日は、亜嵐が一緒に夕飯をうちで食べていた

昼間、玲於と駄菓子屋のあと本屋に行き、

それから玲於とは別れた。

玲於はバイトじゃなくてどこか出掛けたみたい

多分、夏恋と一緒にいるんだと思う。
はい、いっぱい食べなさいね~
お母さんは山盛りのご飯を亜嵐に渡して微笑む
亜嵐
おばちゃんの手料理は世界一だな
またまた~嬉しいこと言ってるわねぇ
亜嵐
だって本当に美味いもん。なぁ?あなた
亜嵐があたしの顔を見たので、笑顔で頷いた

今日のメニューは

和風ハンバーグ、エビフライ、野菜サラダ
お味噌汁とご飯。

食卓のテーブルにお母さんと亜嵐とあたしの3人でいる

小さい頃からよく見慣れてるこの光景

まるで本当の家族のよう。

ただいまー
玄関の方からお父さんの声が聞こえた。
あなた

おかえりなさーい

うちの両親は小さい頃から

あたしと一緒にいた亜嵐と玲於を

自分の息子のように大事に思っていると言っていた

とくに亜嵐は昔からほぼ毎日うちにいた。

小さい頃にお母さんを亡くした亜嵐。

それからずっと仕事でほとんど家にいない亜嵐のお父さん。

あたしにはうちの両親と亜嵐が時々ホントの

親子のように見える時もある。

だからあたしも自然と亜嵐のことを家族のように

兄妹のように。

大切に思っていたのかもしれない。

亜嵐が寂しいって思わないように

元気をあげたかった。

笑っていて欲しかった。

あたしにとって亜嵐は大好きで大切な存在

でもそれは玲於に対する気持ちとはまた別のものだった。


亜嵐には幸せになってほしい。

でも亜嵐はあたしのことをずっと

思い続けていたんだね。

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