第5話

5.
15,587
2022/05/07 12:03

購買から帰ってきて、席へ座る。

奏は前の席の椅子を借りて、俺と奏と Ω の3人 。


残しても持って帰れるようにと、奏がメロンパンを買った。
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
こ、これ良かったのに…


と、Ω が戸惑った様子で奏に言う。

森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
返却不可でーす。
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
ッ……、

と、次に Ω が困った表情で俺を見てくる。
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
お前遠慮しすぎ。奏の優しさ素直に受け取っとけって、返されても逆に可哀想だろ、
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
ッ……ぁ、ありがとう。
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
どういたしましてー(ニコッ)
綾斗が、優しさとか言葉知ってんのな、
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
は?俺の事なんだと思ってんだよ、
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
あっそ、

と、呆れたように卵焼きを口へ運ぶ。

Ω も諦めたのかメロンパンの袋を開け、

少しずつちぎって食べ始めた。

男子生徒
男子生徒
綾斗ー、なんか呼ばれてるぞー

クラスの男子に言われ廊下を見る。

教室の前で、もじもじとしている女の子がいた。
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
悪ぃ、行ってくる。
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
…、?
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
行ってらっしゃい


「 あいつまた女じゃん 」「 いいなぁ ‪α‬ は 」

「 Ω の付き添いなったから遊びも減るだろ笑 」




チッ…、知るかよ。向こうから来んだから、


ーー
ーーー



女の子に人気の少ない場所まで連れてこられる。
女子生徒
女子生徒
ぁ、あの…4組の○○です//
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
…うん、どうしたの?
女子生徒
女子生徒
私と付き合ってください!//
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
俺、他にも彼女いるけど
女子生徒
女子生徒
知ってます…でも、お願いします…//
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
ッ…いいよ…、LINE教えて。

いつもこんな感じ。

皆、ただ " 彼氏 " という存在が欲しいだけ。

俺はそれに利用されてる。


相手がそれでいいなら別にいい。

泣いて帰られる方がだるい。もちろん、そんな奴らに

俺が本気になった女の子なんか1人もいない。




ーー
ーーー



女の子とLINEを交換して教室に戻ってきた。


森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
ぁ、おかえりー、モテ男くん
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
そうゆうのいいから、

席に座って、ご飯を食べる。

雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
…好き、だったの、?
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
いや、初対面
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
ッ…、
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
あー、雫は、そうゆう好きな人とか出来たことあんの?
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
…ううん、

食い終わり、弁当箱を片付ける。

ピコンッと、さっきの女の子からLINEがくる。


めんどくさいのがまた1人、ほんと。やってらんねぇ、

雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
…なんで好きじゃない人と付き合うの?
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
ぁ?
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
好きじゃないなら断ったr((
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
お前に関係ない。
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
榎本くんは優しすぎr((
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
だから、お前には関係ねぇつってんだろ!
一々口出してくんな、


ガタンッと、立ち上がる。

森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
どこ行くの、
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
トイレ。

と、教室から出て行く。


今まで誰も、奏も何も言わなかったのに…、

口出してきた奴なんか初めてだった。

ムカつく。Ω の癖に。


別にいいだろ、誰も悲しんでねぇじゃん。

森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
綾斗〜、
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
ッ…なに、
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
俺もトイレ
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
あいつは
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
教室。悲しそうにしてたよ、
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
ッ…、
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
Ω になにムキになってんのさ、
ほんと、不器用だよね綾斗。
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
るせー、
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
仲良くしてよ。俺が気まずいからさ、
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
知るか。Ω と仲良くなんかできる訳ねぇだろ
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
‪じゃあ先生に付き添い無理って言うの?
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
ッ……はぁ、仲良くすればいいんだろ
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
ふふッ、綾斗のそうゆうところ好きだよ
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
はいはい。
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
ッ…、

用を足し、トイレを出て、教室に戻る。

Ω が申し訳なさそうにして俺の所に来た。

雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
…ご、ごめん、僕なんかが
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
やめろ、その言い方。
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
それ…と、俺も言い過ぎた。
お前の家庭の事情も知らずに、
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
ッ…大丈夫だよ(ニコッ)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
ッ……//

ふにゃっと笑う、 Ω の顔が…可愛く見えて、

何故か ドキッ としてしまった。

森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
ッ……、 さて、授業の準備するよ君達、


ポンッと、奏が俺と Ω の肩を掴んで間に入ってくる。

雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
ぃ、痛いよ、森田くん
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
だって俺2人が喧嘩して怖かったんだもん〜、まだ俺への謝罪もないし。ちょっとムカついちゃった☆

そんなに強く肩を掴まれていないはず…、

あいつの体どんなけ弱ぇんだよ。

雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
雨宮 雫 (アマミヤ シズク)
ごめんね、
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
榎本 綾斗(エノモト アヤト)
悪ぃ
森田 奏 (モリタ カナデ)
森田 奏 (モリタ カナデ)
ふッ…いいよ〜(ニコッ)

席に着き、チャイムが鳴る。

席をくっつけて、また、Ω と教科書を使う。


Ω の事、色々と気になった。

付き添いを任された身だから、知っておく方がいい。

そう思っただけ。


そう思っただけだ。

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