キーンコーンカーンコーン
ざわざわざわざわと。
余裕そうな奴に、落ち込んでる奴。はなから諦めてる奴。
色んな奴がいる中、俺の隣にいるこいつ(Ω)は
出来たのか。
昨日の教科の反応はいまいちだった癖に、分かりやす。
「 終わったー!! 」 「 ひゃっほーい! 」
「 やべぇ…なぁ、ここなんて書いた? 」
「 もう終わったんだから気にしても仕方ねぇだろ笑 」
クラスの奴らが次々に帰って行く。
ガタッと、椅子から立ち上がると、鞄を持って
壁にもたれながら Ω が教室から出て行く。
ゾクッと、俺の体が反応した。
知ってる。この匂い。
あいつと出会った時と、同じ匂い。
後を追いかける。
この前と違うッ…、体が勝手に Ω に手が伸びる。
ガシッと、腕を掴まれる。
唾を飲み込む。
この前よりフェロモンが強い、理性が…抑えろ、抑えろ
ヤりたい、ダメだ、…ヤりたい、ヤりたい…
パリンッ ! と、近くの教室の窓ガラスを割る。
痛ぇ…ははッ…でも、おかげで、理性保ててるよな…
手から血が流れる。
奏が、Ω をお姫様抱っこして、教室に戻る。
足元に少し、ガラスの破片が散らばってる。
こっちから殴ったから…教室の中が酷ぇよな…、
手がジンジンする…、折れたかな、これ 笑
奏が、Ωを降ろしたのか、教室の鍵を閉めて、
こっちに走ってくる。
ガラスが割れる音に気づいたのか、先生が駆けつけてきた。
奏が先生に鍵を押し付ける。
ー
ーー
ーーー
反対の手で薬を飲む。
やべぇ…色んな人に迷惑かけてる…
なんで別れてるの知ってんだよ、
てか…こいつ、
俺は男だぞ…、いくら親友だからって、
そんな事までしなくても…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。