土日と2日経ってからの、月曜日。
Ω がこっちに走ってくる。
視界から急に消えたかと思うと、
と Ω が土下座をしてきた。
周りにいた人から注目を浴びる。
奏が雫を立たせ、事は一旦落ち着いた。
な、何しでかすか分かんねぇな、こいつ…
3人で学校に向かう。
さっきからずっとこの調子だ。
心配してくれるのは嬉しいが、こうもしつこいと鬱陶しい。
わざと、Ω 目の前で 左手をぶんぶん振り回す。
と、Ω が指を折り曲げて何かを数えている。
は?俺が教えただろ、
数学とか特に…英語も…
金曜の出来てた奴は……現文か……
確かにテスト後の反応で出来は何となく予想してたけど、
そこまで酷い点数なのか……?
ー
ーー
ーーー
あっという間に時間が過ぎて、最後の授業。
この時間に一気にテストが返される。
クラスの皆が緊張する中、
俺と奏は雫の点数にしか興味がなかった。
は? 何点満点中の14点なんだそれ、
聞いた事ねぇよそんな点数…。
自信ないって、嘘だろ…
今から10点代が返ってくるのか…?
言葉が出ない。
俺が教えたから大丈夫だろうと思ってたが…
怖ぇ…なんか、変な汗かいてきた。
そうして、全教科テストが返される。
HR も終わり、放課後。教室で3人揃って Ω の机を囲んだ。
ペラッ…と、テスト用紙が裏返され点数が見える。
ペシッ、と Ω にデコピンする。
8教科中、2教科が50点代3教科が60点代残り70点代。
まぁ、ぼちぼちだな。
気が抜けて、ガタンッ、と椅子に座る。
ペラッ、と自分の点数を見る。
Ω が目を輝かせてる。
Ω の面倒見たおかげであがった。
特にこいつに重点的に教えたやつが、
勉強会はこいつにも俺にも奏にもメリットだったって訳か。
それに…
こんな褒められたら俺も嬉しい。
ぽんぽんッと Ω の頭を撫でる。
Ω にしては、よく出来ました。と。
奏が俺のテストをクリアファイルに直し、鞄に入れる。
立ち上がって、右手で鞄を持つ。
奏の頭を撫でる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。