第28話

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2020/06/22 09:37

ー夜 土手の公園


(なまえ)
あなた
あ…あの…それって…
モトキ
モトキ
ん?なぁにあなたちゃん?
(なまえ)
あなた
…いや…えっと…あの


…私の…昔話…も聞いてもらえますか?
モトキ
モトキ
ん…どうぞ?
(なまえ)
あなた
…私が小さい頃……両親と親戚の結婚式に行ったことがあるんです
モトキ
モトキ
…うん
(なまえ)
あなた
そこで…綺麗な花嫁さんに見とれて…両親とはぐれてしまって…
モトキ
モトキ
ん…
(なまえ)
あなた
周りは知らない人だらけだし…両親はいないし…すごく寂しくなって泣いて…
(なまえ)
あなた
…もうどうしたらいいか分からなくなっている時に…ある男の子…お兄ちゃんが声を掛けてくれて…
モトキ
モトキ
……
(なまえ)
あなた
…今日会った迷子の女の子みたいな事があったんです…
モトキ
モトキ
…うん…その後どうなったの?
(なまえ)
あなた
はい…たぶん私が寂しくないようにってずっと手をつないでくれて…大丈夫だよって…
色んな話しもしました…
モトキ
モトキ
…どんな話し?
(なまえ)
あなた
…そのお兄ちゃんが話してくれた夢の話し、すごく覚えているんです

…ウェディングプランナーになりたいって…
モトキ
モトキ
………
(なまえ)
あなた
お嫁さんたちを笑顔にするお仕事をする人…みんなを笑顔にするお手伝いをしたいんだって話してくれました…
モトキ
モトキ
そっか……


その時ー
私たちふたりの間を心地よい風が通り抜け…
ふたりの髪を揺らした…



私はモトキさんを見上げて
(なまえ)
あなた
夢…叶えたんですね…モトキさん……
モトキ
モトキ
……やっぱりあの時の女の子は…あなたちゃん…君だったんだね…
そう言って笑うモトキさんは…

あの時と変わらない…優しい笑顔…
(なまえ)
あなた
モトキさん…変わらないですね……
笑顔とか…その…

優しいお兄ちゃんのままで…す
モトキ
モトキ
そうかな?……あなたちゃんこそ、その瞳は変わらないね…
あなたちゃんこそ
大人になってすごく綺麗になって…
でも…今、俺を見つめる瞳は…
涙をいっぱい溜めてたあの頃と変わらない…
俺はそれが嬉しくて…つい…

あなたちゃんを…
(なまえ)
あなた
(!!///え?……私…モトキさんに頭撫でられてる??///)

ち…ちょっと…あの、モトキさん?///
モトキ
モトキ
!!っ……ご…ごめん
つい……昔を思い出しちゃって……///

(やってしまった…
もう子供じゃないのに…あまりに愛おしくて……///)
(なまえ)
あなた
いや…大丈夫で…す///
嫌じゃなかったから……///
あなたSide

やっぱりモトキさんがあの時のお兄ちゃん
優しい笑顔は変わってない……

嬉しいんだけど…

私、ずっと会いたかったお兄ちゃんに会えたのが嬉しいの?

それとも…あのお兄ちゃんがモトキさんだったことが嬉しいのかな?
(なまえ)
あなた
(あ……分かっちゃった……
私…)
モトキ
モトキ
あなたちゃん、ホントにごめんね…///

…女性に対して失礼だったわ…///
モトキSide

待て待て、どうした俺?
あなたちゃんが愛おしいって…

あの時の女の子がこんなに綺麗になって
目の前に現れて…
それがあなたちゃんで…
モトキ
モトキ
(あ……俺、分かった……)
モトキ
モトキ
あのさ…俺…
モトキさんが何かを言いかけたとき

LINEの着信音が…
モトキ
モトキ
…………
モトキ
モトキ
…あ、上司からだ……
モトキ
モトキ
あなたちゃんごめん…ちょっと返事だけさせてくれる?
(なまえ)
あなた
はい……








その頃…こちらのふたりは






マサイ
マサイ
…なぁシルク、俺さ…どうしたらいい?
シルク
シルク
んー…お前の気持ちは分かるけどさ…
マサイ
マサイ
…正直見てられない……
なぁ…ふたりに声かけてもいいと思うか?…
シルク
シルク
!!な…ちょっと待て!
それはマズいんじゃねぇか…?
冷静になれよ?
マサイ
マサイ
………俺さ
あなたちゃんが好き……なんだわ…
シルク
シルク
そっか……
(やっぱりな…)
マサイ
マサイ
でも…あなたちゃんはモトキが好きなんだろうし……
モトキだって……きっと…
シルク
シルク
そんなのわかんねぇじゃん?
言った訳でも聞いた訳でもねぇし…
マサイ
マサイ
そう…だよな…
でも……
シルク
シルク
まぁ今日はさ、これで終わりにして飲みにいこーぜ?な!
うだうだ考えてもしかたねーわ!
マサイ
マサイ
ん、そうだな…
悪かったな…シルク
シルク
シルク
よし!じゃ行くか!!





シルク店長とマサイさんがそんな話をしながら飲みに向かう頃…





モトキ
モトキ
………よし、これでオッケー連絡終わり…っと!

ごめんねあなたちゃん、待たせちゃって…
(なまえ)
あなた
いえ…大丈夫です
モトキ
モトキ
んー…もう帰ろっか?
(なまえ)
あなた
!…そうですね…帰りますか

(さっきモトキさんが言いかけたことが気になるけど…)
モトキさんとふたりで並んで歩き出した

ディナーに向かう時とは違って、殆ど話しをすることもない

モトキさんの顔をのぞき込むと笑顔を返してくれるけど

なんだか…

自分の心の奥底を覗き込むような表情で
何を考えているのか…イマイチ分からないまま

私のマンションに着いた

モトキ
モトキ
着いた…ね…
(なまえ)
あなた
着いちゃいました…
モトキ
モトキ
………
(なまえ)
あなた
………
モトキ
モトキ
あのさ…!
(なまえ)
あなた
あの…!
モトキ
モトキ
あ……先にいいよ?
(なまえ)
あなた
あ…それじゃ……

さっきお話しした私の昔話…
少しだけ…言ってないことがあって…
モトキ
モトキ
……そうなんだ…何だろ?
(なまえ)
あなた
あの迷子になって助けてもらってから、ずっとそのお兄ちゃんが大好きで…
(なまえ)
あなた
大きくなってから、今も…心の奥にずっとお兄ちゃんがいたような気がするんです……
モトキ
モトキ
………
(なまえ)
あなた
たぶん…私の初恋はお兄ちゃんなんです…
モトキ
モトキ
……あなたちゃん……

俺も……言わせてもらっていいかな?
(なまえ)
あなた
はい………
モトキ
モトキ
……俺……初めてあなたちゃんに会った時にさ……


気持ちのいい風が…
首筋を撫でるように吹いていた











ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・




はい、作者でございます

お待たせしました!
(いや、待っていてくれた人なんているのか?)

書きたいことはあってもまとまらなくて……ちょっと泣きそうでした笑

今回少し気持ちに気づいたりして、話を進めてみましたが…どうでしょうか?

ご意見とかコメントお待ちしています笑

また次回もお楽しみに!



それでは、アデュー!!



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