第14話

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2018/03/26 11:54
昼休み、手洗い場で手を洗っていたら奏歌がやってきた。
奏歌
奏歌
恋。聞いて。
恋
奏歌!どうしたの。仕事は?
奏歌が少し下を向いて、ふう、と切り出した。
奏歌
奏歌
実はさ。
奏歌の話は奏歌にとっては大変な事だけれど、私にとっては関係ないものだった。

こう言ったら、冷たいかな。
奏歌
奏歌
あのね、見て。
奏歌は頬にかかっていた髪を耳にかけて、そっと、あたしに見せた。
恋
…え。
奏歌
奏歌
家を出たらさ、ボールが飛んできて…
そこには痛々しい傷。
青くなっていて、よく見ると、奏歌の顔色はすごく白っぽかった。
奏歌
奏歌
この顔でスタジオなんて行けないよ…
もう学校出なきゃいけない時間なの。
恋
そんな、やばい傷になるの。
奏歌はすごく落ち込んでいた。
モデルだし、当たり前か。
恋
とりあえず、行きなよ。
なんて言えばいいかが分からくて。
少し素っ気なかったかな。
奏歌
奏歌
今日、表紙の撮影だったのに…
ぶつぶつと呟いている奏歌に、少しむかついた。

あたしに言ってなんになるの。
奏歌
奏歌
表紙降ろされちゃうよね…
恋
知らないよ。
奏歌
奏歌
あんな所でサッカーしてるの、
意味わかんないよ。
うるさいなぁ。って、正直思った。

あたしに言ったって何にもならない。
ただ自己満の愚痴聞かされるだけ。


モデルだし?顔大事にしないといけないし?


どうでもいい。そんなのモデルの友達に言いなよ。
恋
さっさとスタジオ行きなって!
奏歌が優れてるって認識させられる事が、結構胸につかえる。

こんなふうな気持ちにはなりたくない。
だけど、心の中くらい思わせて。


そうでもしなきゃ、辛い。

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