転校するとはいえ、なにも変わらない日常生活。
あたしは席をたって理楓を探す。
理楓って言うのは、あたしのいつメン…かな。
理楓は根っからのお嬢様系女子で、真面目で人気もので、かなり可愛く、モテる。
いわゆる、、完璧女子だ。
理楓は正直に言うと、かなりとろい。
運動神経が悪いからなのか、性格上なのか、それとも両方なのか。
あたしはのんびりと教室のドアの前で待っている。
この子は色葉__理楓依存症だ。
理楓は人気もので可愛くて、本当に完璧な女の子なのだ。だから…こういう子が集まる。
そして、理楓は、それを断る事ができない。
元々は色葉は違うグループにいたのだが、理楓と同じ班になって以来、理楓に付きまとうようになった。
実際は依存というほど酷くないかもしれないけど、あたしにとってクラスで1番仲のいい理楓に依存されたら、困る。
たまに移動教室とかぼっちで行かなきゃ行けないもん。
こうやって毒舌なこともあり、理楓はかなり困っていると思う…ただの考えすぎかもしれないけど。
そして、色葉的にあたしが邪魔なのかしらないけど、あたしに冷たい態度をとってくる。
あたしは、何もしてないと思うんだけど。
存在自体がムカつくのかもね。
ははっ、なんか凜音みたいだ。
でもこうやって、なおさら理楓を困らせちゃうのは、あたしもやっぱり理楓が好きで、独りになるのが嫌だからなのかな。
理楓もまあ、かなり、流されやすいタイプなのかもね。
すっごいや。
申し訳なさそうな理楓からの目線がキッツ。
結局、あたしがついていったみたいになるのは、あたしのせいでしょうか。
それとも、色葉のせいでしょうか?
色葉は、下を向きつつあたしを睨んで、
そのあと、にっこり笑った。
____あの、あたしは?
これが、変わらない、あたしの今の日常。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!