第11話

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2018/03/12 11:55
色葉
色葉
恋、なに?
予想よりも明るい色葉の声。
拍子抜けしそうになった。
恋
あ、えっと、
言おうと思うとすごくたどたどしくなっちゃって、色葉は怪訝そうな目であたしを見る。
恋
昨日、あたしの陰口言ってたでしょ
理楓
理楓
え?
声を出したのは理楓だった。
そう言えば、理楓と色葉は一緒に喋ってたんだっけ。
色葉
色葉
何言ってるの。
あたしが恋の陰口いって何になるの?
色葉がくすくすと笑った。

あたしは何も言い返せない。
だって証拠が無いから。
理楓
理楓
色葉…恋の悪口言ってたの?
冷たくて、疑いつつある瞳で
理楓は色葉を見つめた。


色葉は笑う。少しだけ、戸惑ったように。

色葉
色葉
言ってる訳、ないじゃん
理楓
理楓
…でも、恋がそう言ってるよ。
__これくらいで怖がっちゃダメ。

強く、ならなきゃ。
恋
昨日、たまたま聞いたの。
真っ直ぐに、あたしは色葉を見つめた。


「そうだよね。」

ってあの時そばにいた、明梨ちゃんや凛音に意見を求める必要なんて、ない。


あたしは、あたしの言葉で伝えたい。
恋
ねぇ、あたしの事嫌い?
聞くのは怖かったけれど。

色葉の返事がどれだけあたしを傷つけるのかはわからないけれど。


でも、あと少ししかないみんなとの生活に、
後悔なんてしたくないから。

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