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第1話

265
2018/02/21 07:09
今日の夜ご飯はコロッケだ。

あたしの大好物の。

あたしは小さめのコロッケをぱくっと1口くちに入れて、頬を膨らませた。

お母さんがこちらをチラリとみて、なにか言いたげな顔をしている。
お母さん
恋。大事な話があるんだけど
恋
なに?
お母さんに呼ばれて、あたしはご飯を食べる手を止めた。
お母さん
お父さんが大阪に転勤する事になって…
____え?大阪って遠くない?
こんな状況でもあたしは冷静で、転校するのかな?と、ぼんやり考えていた。

ここは東京の__どちらかといえば田舎のほうで、それなりに人も住んでいる、まぁ良くも悪くも普通の住宅街だ。


大阪だと、かなり遠いよなぁぁ…。
恋
転校するの?
お母さんはあたしが冷静な事に驚いたのか
少し目を見開いて、

でもこれがあたしのいつものペースだから少し首をまげて言った。
お母さん
そういう事に、なるね。
恋
分かった。それっていつ?
お母さん
1週間後だと思う…学校には転校届だしとくね。
どうせ、もうすぐ中学2年生になるんだし、
ちょうどいい頃合で良かった。

別れたくないほど大事な人なんて、全くいないし。

あたしは好きな人も親友も、いなかったから。
恋
うん。じゃあ荷物まとめとくね。
あたしは笑っていう。
お母さん
いいの?
恋
そんなの、大丈夫に決まってる。
お母さんは一瞬下を向いて、その後苦笑いをした。

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