第18話

結果発表と罰
609
2023/05/03 21:00
あなた
15分間しゅーりょー!!
じゃあねーw
結果は、私の勝利。
途中から、2人はもう走れなくなっていた。
なんか、ごめん。
あなた
土手でねw
ここから土手までは3キロほど。
シルクは上手く隠れて待ってくれているだろうか。

私は時計を見る。
鬼ごっこ開始から2時間30分が経過した。
恐らく、土手までは15分もかからない。
あなた
土手でも、15分間鬼ごっこになりそ。
一人でハハッと笑いながら、私は土手を目指した。
シルク
あと、20分。
シルクは、第2ポイントでモトキに勝利したあと、そのまま土手に直行していた。

ここは、隠れる場所ならいくらでもある。
俺の5分ぐらい後に、ンダホ、モトキ、ザカオが到着したのも把握済みだ。

あとは、第3ポイントで戦ったであろう3人を待つ。
〜♪〜♪〜
着信音。
連絡が取り合えるって、ありがたい。
シルク
おう。
今どの辺?
あなた
もう、土手には着いてるよ。
私からは、マサイとダーマが見える。
シルク
オッケー。
じゃあ、残り15分になったら、一斉に飛び出して、ラストランするかw
あなた
了解!
鬼の5人はどうやら合流したようだ。
私たちを探している。
あなた
予定通り。
シルク、頼んだよ。
シルク
へいへいw
ラスト15分。
シルク
……よし。行くぞ!
あなた
おっけー!
通話を切り、一斉に物陰から飛び出す。
ンダホ
あーいたー!
マサイ
とりあえず、先にあなたちゃん捕まえる!
モトキ
うん!
ザカオとダーマも行って!!
ザカオ
分かった!
ダーマ
キッツー!
わぁ、3人か。
これは、厳しそうだ。
でも。時間稼ぎぐらいはできるかな。

円形に陣を組み、ジリジリと距離をつめる3人。
さすが。距離のつめ方が上手い。
100分間鬼ごっこで鍛えられているんだろう。


残り、10分。
あなた
ここ、だっ!!
一瞬の隙をついて、逃げる。
…上手く躱せた、のだが。
ンダホ
タッチーーー!!
その先に、ンダホがいた。
あなた
わーーー!!!
ビックリしたー!!
ンダホのお腹にぶつかり、ポヨンとなる。
全然気づかなかった。
ダーマ
よっしゃ、ナイスー!!
マサイ
やったぜ!!
ザカオ
あとは、シルクだ!!
みんながシルクとモトキを見る。
ジリジリと、お互いに相手の出方を伺っているようだ。

あと、5分。
あなた
シルクがんばれーー!!
シルク
は!?
お前っ!捕まったのかよ!
あなた
4対1は無理ー。
シルク
ブハッw
そらそうだw
後は任しとけ!
とでも言うように、私に向かってアデューのサインを出す。
あなた
え。なにそれ。
カッコいいだけなんですけど。
モトキ
イチャつくのやめてー!
集中切れるー!
あなた
www
あと2分。
マサイ
俺たちも行こう!
ダーマ
しんどすぎる!
ザカオ
動きたくねー!
一斉に、シルクへと向かっていく鬼たち。
シルクは、全員の位置を瞬時に把握すると、サッと抜け出す。

残り、1分。

土手は走りにくいのか、抜け出したシルクに、みんななかなか追いつけない。

残り、30秒。
ンダホ
あーくそっ!
マサイ
もう、ちょいなのに!!
残り、10秒。
9、8、7……
ダーマ
時間がねーー!!
…3、2、1、
あなた
しゅーりょー!!!!
タイマーが鳴った。
結果は。
シルク
お疲れ様でした!!!
ということで。
逃げる側の勝利ーーー!!!
もう、みんな"動けない"とでも言うように、座り込んでしまっている。
ンダホ
いやー…完敗だわ。
モトキ
ホント。
もうヘトヘトだよー。
マサイ
というか。
あなたちゃんマジで体力お化け。
ダーマ
ホントそれ!
なんで?ずっと走ってたよな?
今日走った距離は、トータルで25キロぐらい。
まぁ、それくらいなら。
あなた
私、元陸部の長距離選手なんだよねw
ザカオ
マジ!?
ダーマ
それを早く言ってよー!
あなた
www
シルク
と、いうことで!!
負けた君たちには、罰を受けてもらいます!!
罰ゲームあるなんて聞いてないぞー!
と、ブーイングが。
シルク
ま!その罰ゲームの詳しい内容までは、俺も知らん!
モトキ
へ??
あなた
私考案w
そう。
罰ゲームの内容は、私に考えさせてくれと、シルクにお願いしていたのだ。
シルクには、掻い摘んだ内容のみ話した。
マサイ
え。なんだろ。
ダーマ
全然想像つかないなぁ。
あなた
気になる罰ゲームの内容は!
みんな、固唾を飲んで、私の言葉を待った。
あなた
シルクの熱い感謝を受け止めてもらいまーすw
シルク
は?
ダーマ
ん?
マサイ
なんて?
あなた
www
みんなの反応が面白すぎるw
あなた
シルクと一緒に過ごすようになって、メンバーに対するシルクの気持ちって、本当に素敵だなって思ったんだよね。
シルク
……。
あなた
もちろん、そんなの言わなくても、みんな分かってるし、逆もそうだと思う。
みんながシルクのことを大切に思っている気持ちも、ちゃんと伝わってる。
あなた
でも。
あなた
ちゃんと、言葉で伝えるのって。
本当に大事だと思うから。
私とシルクがそうだったように。
言葉にしないと。
伝わらないこともあるから。
シルク
……わーったよ。
つか、これ。俺らが負けてても、同じ罰ゲームにするつもりだったろ。
あなた
あはw
ばれた?
シルク
話す恥ずかしさと、聞く恥ずかしさ。
両方ともあっからな。
あなた
あ、バッチリ撮影しとくんでw
くれぐれも、鬼側の罰ゲームだからね!
むず痒〜くなるような言葉のチョイスよろしくねw
ンダホ
え、なんか、すでにムズムズしてるんですけど…。
マサイ
分かる!!
シルク
じゃ。
あなた
はーい!
罰ゲーム、スタートw
まずは、サブリーダーのマサイへ向けて。
シルク
マサイ。
マサイ
う?うぇ?!
シルク
お前は、正直、機械ヲタクだし、バカだし、運動神経はクソだ。
あ、運もクソだな。
マサイ
え、むしろ貶されてるw
シルク
でも。
Twitterにも書いてる通り、俺らの「縁の下の馬鹿力」であり、それがなかったらFischer’sは成り立たない。
オープニングとか、BGMとか。
視聴者さんに、五感でFischer’sを感じてもらえる、そんな工夫ができるのは、マサイだけだ。
俺は、お前がサブリーダーだから、ここまでやってこれたと思ってる。
シルク
だから。
これからも頼むな。
マサイ
……おぅ!

プリ小説オーディオドラマ