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第10話

アルバム
146
2018/03/06 13:29
何時間ベットでうずくまっていたのだろう。
一階から聞こえる声で目覚めた。


あれは知っている声。
学校でいつも聞いていた声。




㌧㌧
階段を降りた先で見えたのは、なつみの姿だった。
ソッピー
ソッピー
ぇなつみ??
なつみがこっちに気づいた。
なつみ
なつみ
もう。
ソッピーってほんとにおっちょこちょいなんですよ??
お母さん
あらあら笑
お母さん
そらは!
なつみちゃんがアルバム拾って届けてくれたのよ。
ソッピー
ソッピー
ぇあれは捨てたはずなのに。
しかもよりによってなつみとか…
なつみを二回の自分の部屋に案内した。


気まづかった。
ソッピー
ソッピー
ぁなつみ
アルバムのことありがと。
なつみ
なつみ
素っ気ないね。
大事なもの何捨ててんのよ?
怒られるっ

そう思ったけど、なつみは悲しそうな顔で
なつみ
なつみ
いつもいつも同じ
なつみ
なつみ
本当にソッピーは何も言ってこないよね。
結局はいつも私から話しかけるけどさ。
ソッピー
ソッピー
だって…なつみあんなに怒ってたじゃん…
なつみ
なつみ
あれは、喧嘩しても何も言ってこないソッピーに怒ってたの。
なつみ
なつみ
しかも、あの時はあんなに冷静じゃなかったから。
ソッピー
ソッピー
そうだったんだ…ごめんね
涙が溢れてきた。
なつみ
なつみ
もう!泣かないの。
ソッピー
ソッピー
ぅぅん…ゥッごめんなさい
なつみ
なつみ
いいの!もう忘れよ?
いいよあきとと付き合ってても。
ソッピー
ソッピー
でっでもなつみはあきとのこと好きだったんでしょ?ダメだよ。
なつみ
なつみ
いいよ。
あきともソッピーのこと好きだったんだよ。
だから私もう諦めたから。
なつみ
なつみ
実はと言うと、このアルバムあきとが川に潜って探してくれたんだよ?
好きじゃない子にあんなに熱心になれないもん。
ソッピー
ソッピー
ぇ。
ソッピー
ソッピー
あきと…
なつみ
なつみ
ちゃんとお礼言うんだよ?彼氏に?
なつみ
なつみ
じゃあね
ソッピー
ソッピー
うん。本当にごめんね
なつみ
なつみ
いいよ
そう言ってなつみは帰って行った。

アルバムの写真は1枚1枚丁寧に乾かされている。





なのになのに



私は抑えきれない涙で

また、アルバムを濡らしてしまった。











END

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