天堂side
自分の家を出て
何から追われる訳でもないのに久しぶりに必死に走った。
走って走って走って、全然知らない公園まで来た
その公園のベンチに座り俺は考え始めた。
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俺は七瀬が夢の中でも好きって言って
くれたことが本当に嬉しかった。
.....ただあの頃の七瀬は今はいないんだ
一瞬にして後悔した。
あんなこと好きでもないやつにされたら
嫌われるに決まってる...
もしかしたら
七瀬を守りきれなかった時から俺と
七瀬の関係は壊れてしまったのかもしれない。
きっと罰が当たっているんだ。
甘えていた自分を恨めしく思った。
.....でも本当に嫌われただろうか?
俺はいつも七瀬の気持ちを聞かずに
勝手に決めつけてしまう
まだ直接言われてないんだ
それなのに諦めるなんて...いやだ
まだ可能性があるなら...おれが動かなくてどうする?
それに俺が七瀬との関係を言わなかったのも
七瀬が俺のことを好きにならなかったらと
思い不安だったからだ。
好きになってくれなくてもしも別れるって言われたら
俺は耐えられない、そう思ったからだ。
だから七瀬に関係をいうことを恐れて逃げてた
だけど今度こそ逃げたくない!
頭を冷やしてちゃんと気持ちを整理整頓して
七瀬に俺との関係のこと、これからのこと
俺の思いを伝えようと決めた。
七瀬になんて言われるかはわからない。
だけど...伝えたいとおもった。
俺は急いで家に戻る。
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ガチャ
もしかしたらもう家にいないかもしれない...
と不安になりながらも家に入り七瀬を探す。
すると七瀬はソファに寝転んでいた。
優しく肩を叩く
呼んでも七瀬は起きなかった。
俺は急いで救急車を呼んだ
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それから七瀬はまた病院に搬送された。
七瀬は運良くソファに倒れこむ形で倒れたため
頭を打たずに済んでいた。
意識が飛んだのは逆行性健忘症が関係してるらしい。
また七瀬が起きない日々が戻ってくる
そう思うとゾッとした。
神様は俺にあとどれだけの罰を与えるのだろうか..
それを耐えられるのだろうか...
......頼むからもうこれ以上七瀬に何もしないで...
俺が代わりに受けるから...
記憶なんて戻らなくてもいいから...
俺はまた涙する。
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七瀬side
夢の中で七瀬は最近ずっと見ている夢を見ていた。
いつも起きると何の夢だったかを忘れてしまう。
〇〇といると楽しい
〇〇が笑いかけてくれた嬉しい
〇〇が泣いていて悲しい
〇〇に怒られて寂しい
〇〇が違う人と仲良くしてて嫉妬したり
沢山の感情とそれまでの思い出がみえる
いつも色々な感情にさせてくれて
一緒にいてくれるこの思い出の全てである
あの人の顔はいつも見えない。
思い出そうとするといつも夢は終わってしまう。
そう聞くけど一度も答えてくれたことはない。
だけど今日はいつもと違うみたい。
あの人の声が聞こえる。
泣いてる声がする。私の近くで
....この声を私は知っている。
何度も何度も聞いたあの声
....慰めないと
私は一生懸命声の方へ走っていった。
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私は目を開ける。
そこには天堂先生がいて
私の手を握りながら涙を流していた。
あぁ、この人だ
一瞬で理解した。
先生がこっちをみる
先生は思い切り七瀬を抱きしめた。
そして確かめるようにゆっくりと頭を撫でる
七瀬もそれに答えるように腕を回す
そう言って七瀬は涙を流しながらも先生に笑いかける。
天堂は七瀬が帰ってきたことを噛み締めながら
七瀬にキスをした。
今度は七瀬から先生に優しくキスをした。
そして二人は幸せそうに笑った。
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【第一章】完結
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます🙇♀️
分かりにくいところとか変なところ沢山あったと思いますが第一章はようやく完結致しました!
これからなんですけど、二章書こうか
どうか正直迷っています😔
まだ二章をどんな内容にしていくか考えつかなくて....
なのでもし良ければ第二章の案を
コメントに送ってくださると嬉しいです😊
リクエストお待ちしております🙏
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。