〜裕翔side〜
美月が急に倒れた。
何も反応がなかった。
息はしていた。
❲保健室❳
美月…… 死ぬな……
❲病院❳
俺が病室に行ったとき、美月は人工呼吸器をつけていた。
ガラガラッ
ドアから音羽が出てきた。
音羽は美月のそばに駆け寄って、泣いていた。
結局俺は美月を幸せにすることなんてできない。
美月を守れもしない。
本当に自分が情けなかった。
美月、放課後あんなことをしてごめん。
俺にはやっぱり付き合う資格がない。
❲1週間後❳
❲病室❳
〜大雅side〜
ガラガラッ
今日音羽から話を聞いた。
きっと音羽は、早く言うと俺が心配して旅行に行けない
って思ったんだろう。
美月はまだ目を覚ましていなかった。
俺は一晩中病室にいた。
❲朝❳
嬉しくて涙がでそうになった。
美月は幸せそうに笑った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!