❲病院❳
私は診察が終わって結果を待っていた。
私の頭は大雅と裕翔の事でいっぱいだった。
これからどうすればいいんだろう…………
❲診察室❳
ドキッ……
目の前が真っ暗になった。
お医者さんが色々説明していたけど、
私は何も耳に入ってこなかった。
❲家❳
ピコンッ
大雅【Wi-Fiつながったぞー】
美月【おめでとう】
大雅【病院どうだった?】
一瞬本当の事を言うか迷った。
でも、本当の事を言うことにした。
美月【脳に転移】
大雅【脳!?マジか…】
大雅【俺が帰ってくるまで元気でいれよ!!】
美月【うん!】
❲次の日❳
音羽が私の目をじっと見て言った。
少し安心した気持ちになった。
❲放課後❳
私が帰ろうと廊下を歩いていると後ろから手を引っ張られた。
裕翔の手を振りはなった。
私は走って逃げようとしたけど、また手を掴まれた。
すると、急に目の前が歪んできた。
体中に力が入らなくなった。
バタンツ
意識が遠くなっていく。
裕翔が私の名前を叫んでいる気がした。
死ぬかも。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!