chapter《こんなにも会いたい》
ジェミンside⬇️
少し眠気が残る目をこすってコンビニを出た。
まだ薄暗い、朝5時。
薄暗い?…うそ、これ暗いんじゃない?
結構暗い、朝5時。
大きなあくびをして、レジ袋を前後に揺らす。
中にはミルクティーと、大きなおにぎり。
昨日は…ジェノが宿舎帰って、そのあとチョンロ、チソンとゲームして、キヨミちゃんだったジェノをしじゅに💚に共有して、またゲームして……
今、右手にはコンビニの袋を持って。
今、左手にはジェノの忘れてった本を持って。
今、僕は宿舎に向かっています。
でも、何でかな…
起きちゃったんだよね、今日。
なんとなく外に出たい気分で。
それに、どりみ達に早くカミングアウトしたいし…
ジェノにも相談しなきゃ。
カトクを開いて……
『ジェノや~共有しちゃってごめんね🥰』
…送信。
今から駅に向かったら始発の電車。
ちょっとどっかで暇つぶしするのもいいけど…
どうせだからもう乗っちゃう。
地下鉄への階段を降りると、人の数はなかなか。
それからすぐに始発の電車が到着。
乗り込んで、広く長い席の端っこに座った。
プシューッといって、扉が閉まるとゆっくり走り出し、加速していく電車。
聴きなれてる電車のアナウンス。
でもこんなに早い時間に乗ったの久しぶりだから、車内の空気に違和感を感じる。
それにしても、ホントに…人が多い。
小さく咳払いをした。
イヤホンを取り出して、耳に着けて、
起動音と同時に音楽アプリを開く。
最近は、ジェノにオススメされた曲を聴いてる。
再生履歴の1番上には、
ジェノと一緒にチョイスしたプレイリスト。
迷わずそれを選ぶ。
…そう言えば、今日ずっと休みだし遊べるよね。
宿舎行ったら何しようかな。
あの7人で撮った写真、まだあるかな。
…ジェノの部屋、散らかってないかなㅎ
ジェノの「やージェミナ。」って俺を呼ぶ顔が浮かぶ。
今日は2人で何話そう。
ズボンの前ポケットを探ってあれを探す。
出る前に入れたはずだけど……
大切なお揃いの指輪。
もう無くさないように…ちゃんと着けておこう。
もちろん薬指にね。
あ"!!
嘘でしょ!?
3駅寝過ごしちゃった!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!