ここは北山の頭の中
俺はどうしたんだっけ?
確か午前中はずっと藤ヶ谷と話しをして過ごしていて母さんの作ったお昼ごはんを温めて食べて暫く寝た。
夕方近くになって起きて晩御飯の為買い物に行った。
母さんに喜んでもらいたくて…
近くにあるスーパーに行き買い物をした。
俺の好きなものでなく一応考えて買った。
俺は浮かれながら家迄歩いていた。
帰り道、俺の歩いている反対側に横尾さんが歩いているのが見えた。
その後のことは覚えていない…。
横尾さんが慌てて走って俺のところに来てくれた。
体は全身に痛みがある為動けない。
俺に何が起きたんだ?横尾さんが泣いているのが見える。
横尾さんがあまり泣いているっていうことがなかった為自分では驚いている。
俺は横尾さんに伝えた。早く帰らないと母さんに晩御飯を作ってあげられないからだ。すると横尾さんは
って言ったらしい。
声が段々聞こえなくなっていたから口の動きを見た。
それが最後の会話だったとは思わず、俺は空を見ていた。
ふと視線を降ろすと救急車が見えた。
その後昼寝したはずなのに眠くなり眼を閉じた。
自分が車に跳ねられて事故に遭ったことなんて分からずに…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。