第63話

神様になった君
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2021/07/24 03:00
夢を見た。
君が居なくなる前の夢。
ましろ
ましろ
大丈夫だよ。だから泣かないで。
、、、、?
気がつくとそこは見覚えのある病室だった。
そして目の前には大好きだった君がいた。
真っ白で儚く綺麗。
でも腕や足は赤黒くかぶれて痛々しかった。
思い出した。
これは私が忘れたかった過去だ。
ましろ
ましろ
私、あなたが大好き!
やめて。
ましろ
ましろ
でもね。
やめて、、、
ましろ
ましろ
私はもうすぐ死んでしまうから私の代わりに誰かを幸せにしてくれる?
やだ、、、
ましろ
ましろ
生きてね。私の代わりに。
待って、、、
ましろ
ましろ
一緒に居てくれて、ありがとう。さよなら。あなた。
ダメっ!
思い出した。
私がみんなを幸せにしたいと思ったのはもちろんだけどきっかけはましろ姉ちゃんだった。
病院で廊下に倒れてたましろ姉ちゃんを助けて、暇があれば話すなかだった。
私と歳が5つぐらい離れたお姉ちゃんだった。
優しくて可愛くて。
絶対、死んでいいような人ではなかった。
だから私はお願いしたんだ。
「ましろ姉ちゃんを救って下さい」って子供ながらに。この神社の神様に。友達のように接してくれた神様に。
神様は笑顔で何も言わなかった。
どうしようも出来ないから。
そうか。私の近くにいる神様はもうあの頃の神様じゃない。
あの頃の神様とましろ姉ちゃんなんだ。
神様
神様
やっと気づいてくれたね。
私が眠ることは願いの代償だったんだ。

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