?? 「俺、光輝!茜原光輝!」
…別に聞いてないんだけど。
紫 「そうですか、では失礼します」
人とは関わらない。
それが自分のためで、その人のため。
茜原 「ねぇ、天野ちゃんさどうしていつも1人なの?」
………、?
そんなこと、聞く必要ある?
なんでって、だって、傷つけるから。
茜原 「それに、笑ってたり、楽しそうにしてるとこ見たことない」
……笑っていい事ある?
楽しいって、
私が楽しむ必要ある?
…ないよ、そんなん。
茜原 「つまんないでしょ?そんなん。」
…つまんない
つまんないかなんてわかんない。
紫 「笑おうが、楽しもうが、泣こうが悲しもうが一人だろうが、お前には関係ない。もう、関わんな。」
淡々という。
突き放すように。
もう、誰とも関わりたくない。
あんな思いはしたくない。
茜原 「……ねぇ、」
パシッ
紫 「触んな」
私に近づき伸びてくる手
それを叩き払う
睨んだ後、そいつの横を通ってその場を後にした。
きっともう、関わることもない。
『つまんないでしょ』
さっきのあいつの言葉が頭から離れない。
頭の中で何度も何度も繰り返し流れている
消したくても消せない。
なにかの鎖に縛られたような、今までとは違う感覚。
それが良い感覚か、なんて聞かれたら絶対に違う。
「つまんないでしょ?もっと笑って良いんだよ!もっと、精一杯楽しんでさ!」
アイツの言葉が、あの子の言葉と重なる。
それが生きづらい。
この鎖は1度繋がってしまったら、後にはもう解けない。
そして最後には、何かを失って終わる。
その連鎖
それが怖いんだ、ただ。
怖いだけ。
嫌なだけ。
もう…………
…世界が終わってしまえば、じゃない。
私が
いなくなってしまえばいいんだ___。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!