ピリリ…
ピリリリリリ
ピリリリリリ
ピリリリリリリリリ
ガチャッ
……、うるさい、
鳴り止まない目覚まし時計。
力任せにガチャッと止め、時間を確認する。
…6時、
、、早すぎたか。
いつも通りリビングに降りると、そこには昨日帰ったはずの柴咲さんがいた。
……え、
紫 「…、あの、、」
エプロン姿で、机の上には美味しそうなご飯が並んでいる。
私の言葉に気づくと、笑顔で答えた。
柴咲 「あ、紫様。おはようございます。ご気分はいかがですか?」
紫 「…普通です。あの、なんでいるんですか?昨日帰ったはずじゃ、、」
柴咲 「黒夜様からの伝言です。「紫、しばらくは私の代わりに監視役として柴咲を家に置いておくよ。」とのことです。」
…監視…役…?
なんで、?
あぁ、そんなこと言っても仕方ない。
いるならいつも通りにしておけばいい。
柴咲 「それなのですが、私も黒夜様のお手伝いをしなければならないので期間は1週間です。」
、案外短いんだな
そんだけなのに居る必要ある?
…嫌だけど、父さんの言いつけだから守るしかないよね。
紫 「分かりました。よろしくお願いします。」
この日から、柴咲真守との同居生活が始まった
別にだからと言って変わるものはさほどにない。
学校行って
五月蝿いアイツがいて
帰って
ただ違うのは___
紫 「…ただいま」
柴咲 「おかえりなさいませ!紫様!」
……ッッ
「おかえりなさい!紫!!!」
あぁ、いつぶりだろう。
帰ってきた時に、笑顔で迎えてくれる人。
心の奥で何かが温かくなる気がした___。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。