無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

第18話

18(晴人side)
501
2021/04/04 03:32
晴人
晴人
あれ…
撮影から帰ってきて、家のドアに手をかけたら鍵が空いていた。閉め忘れたか…と部屋に入って驚いた。テーブルの上に封筒が置いてあった。
晴人
晴人
………っ!
今日入ってた分の封筒は全部捨てた。こんなところに置いとくなんてありえない。
震える手で封筒を破いた。見たくなかったけど、見なければ悪化する気がした。中に入っていたのは手紙だった。ここまで封筒を開けなかったことへの非難罵倒、あとは好きだとか自分が一番応援してるだとか、ストーカーのテンプレみたいな内容。
晴人
晴人
これって…警察動いてくれるんだっけ…
さすがに鳥肌が立った。家の中まで入られたんだから、言えばなんとかなるだろうか。でも身体的な被害がなきゃなんとかって言うし。迷いながら、封筒の中にまだ何かが入っていることに気がついた。それは赤い何かが入った、親指ほどしかない小瓶だった。
中身をよく見て、それがなんなのか理解して、咄嗟に口をおさえた。急いで洗面所に駆け込む。
晴人
晴人
うっ……ぇ…げぇ………っは、…う
どれだけ吐いても気持ち悪さが込み上げてきて、胃液だけになっても吐き続けた。
赤黒くてどろどろしてて、液状のあれは……
もう限界だった。

次の日すぐ警察に行って、家の中に入られたことを話した。小瓶を持ってきたか聞かれ捨てたと答えた。気持ち悪くて耐えられなかった。でも、それだと侵入された証拠がないからと取り合ってくれなかった。今朝郵便受けに届いていた封筒を見せた。これだけじゃ動けない、あなたは男だし大丈夫じゃないですかとか適当なことを言われた。

家に帰ったらまたテーブルに紙切れが置かれていて、今度警察に行ったらというよくある脅し文句が書かれていた。
俺が一人でぐるぐるしてる間に、取り返しがつかなくなっていた。
晴人
晴人
……たつ、や、…くん………
膝を抱えてうずくまった。自分勝手な意識があの人を求めた。
晴人
晴人
たすけてぇ………たつやくん…………
わかってる、いまさら遅い。もう誰にも言えない。言ったらきっと迷惑かける。達也くんや太我まで危ない目に遭うかもしれない、それだけは絶対嫌だ。
しばらくうずくまってたけど、インターホンが鳴ったから立ち上がった。達也くんは今日も来てくれた。うっかり助けてって言わないように目を逸らし続けた。それでも、達也くんが「何かあったの」って聞いてくれることを、心のどこかで待ち続けた。