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第24話

24(晴人side)
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2021/04/19 03:12
太我
太我
達也くん、告白されたんだって
太我の声が妙に響く。
晴人
晴人
へえ
喉が震えた。うまく声が出せない。
晴人
晴人
関係ないよ
太我
太我
行かなくていいの
晴人
晴人
どこに
太我
太我
達也くんのとこ
晴人
晴人
なんで…
太我
太我
わかんないの?お前達也くんの話ばっかりだよ
違う、そう言いたいのに声が詰まった。俺が達也くんの話をするのは、俺が彼を傷つけてばかりだからだ。好きとかそういうんじゃない。達也くんが誰に告白されようがどうでもいい。関係ない。
太我
太我
お前が変わり始めたのも達也くんがきっかけじゃん
あれだけ隣でうるさくされたら、そりゃ誰だって少しは変わると思う。関係ない。
太我
太我
ねえ、ほんとにいいの。達也くん言ってたよ。昔からの友だちで、すげえいい子だってさ
達也くんが誰と付き合ったって、全部、何もかも、俺には全く関係ない。
晴人
晴人
よかったじゃん
太我
太我
取られても知んないよ
晴人
晴人
取られるってなに?最初から達也くんは俺のじゃないし
太我
太我
いつまで逃げてるつもりだよ。なくなるのが怖いって、自分から手放してるだけじゃん
晴人
晴人
うるさい
太我
太我
何も持ってないのがそんなに楽かよ。そうやっていつまでも
晴人
晴人
うるさい!
太我に掴みかかった。足に力が入らなくて、勢いのまま太我の胸に倒れ込んだ。
晴人
晴人
何がわかんの!?いまさらどうにもなんないんだよ!全部お前らのせいじゃん!
涙が出た。涙と一緒に、今まで蓋をしてきた一番汚い感情も溢れ出た。
晴人
晴人
全部さぁ!お前らのせいなのに!なんでいまさら…!なんで……
太我
太我
ごめん
晴人
晴人
無理だよもう…怖いもん…達也くんだってどうせその子のとこ行くんだよ…
太我
太我
ハル、
晴人
晴人
期待して…傷つくのはもうやだ………!
太我
太我
ハル
太我の手が俺の髪を撫でた。
太我
太我
俺らも…ずっと後悔してたよ。なんでハルに、ちゃんと好きって言わなかったんだろうって
太我
太我
だからいっぱい言ったんだよ。もう後悔しないように…達也くんも……
太我
太我
ねえ、今のままじゃハルは、俺らと同じ後悔することになるよ
鼻を啜る音が聞こえた。顔を上げたら、太我が泣いていた。俺と同じくらいグシャグシャの顔で、俺の肩をどんと押した。
太我
太我
行けよ。行かないと絶対後悔するから
泣きながらうなずいた。ほんとはまだ怖かった。でももう、達也くんのところに行く以外の選択肢がなかった。恐怖以上に大きな感情に突き動かされた。

走りながら考えた。達也くんだけはずっと好きって言ってくれた。何回否定したって、酷いこと言ったって、太我と喧嘩したときだって、達也くんだけはずっと俺の隣にいてくれた。
信じるのは怖い。だけど信じたい。
涙がぼろぼろこぼれた。止めたくても止められなかった。
誰の好きが嘘でもいい。だけど達也くんの好きだけはほんとであってほしい。永遠であってほしい。達也くんにだけは愛されていたい。

達也くんだけは信じたい。

足が全然動いてくれなくて、涙で視界も歪んで、それでも走った。
達也くんの家に着く頃には、息も切れ切れだった。インターホンを押して呼吸を整える。でも、いつもすぐ出てくる彼は、今日はいつまで経っても出てこなかった。
太我
太我
間に合わなくなるかもよ
太我の言葉が頭に響いた。玄関の前にしゃがみ込んだ。
間に合わなかったんだ。そうだよね。俺みたいなめんどくて最低な奴より、可愛くて優しい子の方がいいよね。もう遅かったんだね。
晴人
晴人
……ぅっ………
達也くんはずっと俺の隣にいてくれた。何回も好きって言ってくれた。でも、それももう終わりなんだね。
あんなに達也くんの愛情を拒んでいたのに、涙が止まらなかった。拒絶しながら、本当は嬉しかったんだといまさら気づいた。
でももう遅い。愛情を失うのが怖くて、自分から捨てちゃったんだ。
ずっと欲しかったものを手放してしまった愚かさを後悔した。どれだけ願っても達也くんは俺の隣に来ない。もう俺はいらない。
晴人
晴人
たつやくん……っ!たつやくん………たつ、や、く、
全部遅い。逃げてばかりだから間に合わなかった。せっかく太我が教えてくれたのに、もう……

立ち上がった。もうここにいても意味がなかった。達也くんが帰ってきたとき、彼女を連れているかもしれない。そんなの見たくない。
晴人
晴人
………
顔を上げた。そこで俺は、初めてこちらへ歩いてくる人影に気づいた。涙を拭って、晴れた視界に捉えたその人は、俺がずっと待っていた人だった。
達也
達也
ハル…?
晴人
晴人
……達也くん…
達也くんは俺に気づくとすぐ走り寄ってきた。
俺の涙を拭いながら「どうしたの」なんて微笑むから、抱きついてしまった。