受賞コメントなんて言える精神状態じゃなかった。
でも仕事だから、半分に分かれて行動することにした。
半分はコメント、半分は病院へ。
てれひょんはゆじなを慰めて。
はんびにひょんは医者からの説明を聞いて。
おれときゅびなは…ただ無事を祈るだけ。
それ以外に、できることがなかった。
“ 植物状態、最悪死に至る ”
その言葉を聞いたすぐは、理解できなかった。
あんなに元気なあなたが、?どうして、
ICUのベッドには、あなたが寝ていた。
たくさんの管に繋がれて…久しぶりに見るその光景に
頭が痛くなる。
あなたの頬に触れても、今度こそ反応しなかった。
ベッドの上で眠るあなたは、あまりにも動かなくて、
さっきまであの大きなステージで歌っていた人と
同じだなんて、誰も信じられなかった。
いや、信じたくなかった。
さっき、雑踏の片隅で見えた。
あなたがゆじなの手にキスしてるとこ。
ずっとその箇所を、ゆじなは撫でて、触れてる。
泣き崩れるゆじなをよそに、俺は全く涙が出なかった。
だって、またいつもみたいに起きて、寝癖をつけて、
柔い笑顔でだきしめてくれるって、思ってるから。
まだ、この子は、息がある。生きてる。
それだけで、今は救われた。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。