目が覚めると休憩室のソファで寝ていた。
はおおっぱが運んでくれたらしい。
今は授賞式の終盤?なんだそう。
急いで顔を直してもらって、みんなのところへ行った。
今年の大賞は誰が取るのかな、
わたしたちが取れたらいいな
そう思っていると気づいたら大賞の発表になっていた。
ちゃんとこの耳で、その言葉を聞くことができた。
隣にいるメンバーみんな泣きそうな顔してるし、
ぜろずも泣きそうだね…ㅠㅠ
ステージ中央に向かって話をする。
最後に、私が話す番になった。
込み上げてくる思いが止まらなくて、
涙がこぼれてしまった。
たくさんの感謝を述べて、中央ステージを降りた。
それからはすぐに終わって、授賞インタビューを
受けるだけだった。
急に体が固まったように動かなくなった。
手が震えて、頭がぐるぐるして、
気づいたら床に倒れていた。
頭の手術の後遺症が悪化していること。
実はみんなに伝えてなかった。
『いつか、急に体がおかしくなるときがくる』
そう言われていたけど、今くるなんて、
みんながドタバタ走ってる音だけ聞こえる。
手が濡れてる感覚がして、最後の力を振り絞って見ると
ゆじなからこぼれ落ちた涙だったみたい。
ほんとに少し残った力、ゆじなの手を引き寄せて
そっと、キスをした。
『手にキスしてほしい』なんていう貴方と交わした
いつかの約束、ちゃんと守ったよ





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。