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第2話

私の過去
466
2021/05/30 14:12
3時間程の初日が終わると下校の時間になった。


他の皆は中学からの友達だったり
凄い子は今日で新しい友達を作ったり
その子達と待ち合わせ約束を作り帰って行った。


私は担任の櫻井先生に呼び出され
残ることになってしまった。
「改めましてこんにちは!
あなたさんの担任の櫻井翔です!」


『佐野あなたです。
よろしくお願いします。』
なんで呼び出されたかって?
それはね...
「初日からこんな話嫌かもしれないけど、
これから3年間の事だからしっかり聞いて欲しいです。」


『はい。』


「あなたさんが、この学校で過ごす為に
守って欲しいいことを簡単に説明します。」


『お願いします。』


「あなたさんのご両親はお亡くなりになってるんだよね。」


『はい。』
そうなんです。


私の両親はもう亡くなってるんです。


お金は両親が残してくれた残りのお金と
自分でバイトして貯めたお金で何とかしている。


だけど、亡くなったのは私が中学校に上がった頃だった...
『中学生か〜』


「義務教育もこれで最後何だから頑張りなさい!」


『そうだね〜』


「あなたがしたいことをやればいいんだからな!」


『はーい!』
そんな話をしながら帰っていた時だった。


テレビのニュースで見る車が突っ込んでいる映像
それが、私の目の前で起こった。
「危ない!」




ガシャン!

お皿が割れる音とは比べ物にならないくらい
大きな音が私の後ろで響いた。
『えッ、』
後ろを振り返れば2人の姿は無かった
『お父さん?お母さん?』
そう呼んでも2人の返事は無かった。


その後、救急車が何台も駆けつけ
2人は緊急手術をするも命は助からなかった。


でも、私のお母さんの臓器は生きていた。


その時に言われたのが臓器移植と言うもの、
私は中学生だったけどその存在は知っていて...


お母さんが何処かで生き続けられるかもしれない。


お母さんのおかげで誰かが助かるかもしれない。


そんなことを思ってお医者さんに首を縦に振った。
こんなことがあったのにも関わらず
私は親戚の人には引き取られずに
祖母の家で暮らすことになっていろいろと学んだ。


でも、祖母も歳が歳で両親を追ったように
天国へ逝ってしまった。

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