照「シゲ、それは待って」
そう声を出したのは岩本さん
照「俺らが、いや、俺があなたのこと守るしサポートするから大阪はちょっと待って」
重岡「お前がそうでも辛いのはあなたやで」
心配そうに私を見るシゲさん
でも、私の答えは決まってる
「私、まだオトリ頑張れます」
重岡「オトリってお前なあ」
「いいんです。ありがとうございます。シゲさん」
そう微笑むとシゲさんは黙り込む
重岡「樹くんのいない世界は考えられないってか」
そう言ってニカッと笑った
もちろんシゲさんの言った通り
話し合いが平和に終わろうとした時
部屋に樹くんが入ってきた
樹「どうしたんすか」
また空間がピリリと張り詰める
桐山「樹、どこいってたん」
樹「あ、ちょっとコンビニ。仲間に呼ばれてて」
樹くんは嘘をついた
北斗さんも岩本さんもミキさんの所って
重岡「へぇ、コンビニか」
樹「あなた、おかえり」
「ただいま樹くん。ごめんね迷惑かけて」
精一杯の演技で笑う
上手に口角を上げる方法ならもう知ってるから
だからシゲさん
そんな悲しい顔しなくていいの
私はこれが正解だと思っているんだから
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。