「樹くんのそばにずっと居たいよ」
緊張で声が震える
か細い声を樹くんはしっかり聞いてくれた
樹「そしたらさ、そばに居てよ」
優しい声と優しい顔
ゆっくりと私の頭を撫でた
樹「2人で話そ。それで反対されたらこっそり家出てさ、2人でどっかで暮らさない?」
「でも、そんなことしたら」
樹「あいつらには言うよ。遊びに来て欲しいし」
へへ、と笑う樹くん
樹「だから、安心して俺のそばにずっと居て」
私の大好きな笑顔で言う
嬉しくて涙が止まらない
樹「昔から泣き虫は変わんないね」
優しく抱きしめられてまた泣いた
樹「帰るか」
樹くんが私の手をしっかり握って
少し前を歩く
見上げると見える横顔が愛おしくてたまらなかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。