手を引かれて着いた場所は人気のない倉庫
しまった
そう思ったけどもう遅い
私はドンと押され床に倒れる
ガチャ、と音が鳴る
拳銃だ
ミキ「あなたちゃん、簡単に人を信じたらダメだよ?」
私は咄嗟に走って倉庫内の物の間に入って息を殺す
見つかったら殺される
ミキ「もー、本当にしぶといんだから」
ぶつぶつ何かを話している
私は自分の吐く息でさえ音を出さないように注意する
ミキ「あ、樹?ブロックされてなくてよかった。今ね、あなたちゃんと遊んでるの。約束が違う?そうだね。でも、悪いのは樹だよ」
パンッと大きな音が反響する
発砲音だ
ミキ「あー、残念。当たんなかったわ。」
ミキさんは樹くんと話をしている
ミキ「樹、はやく来ないとあなたちゃん死んじゃうね?」
そう言ってケラケラ笑ったあと
携帯を投げた音がした
ミキ「はやく捕まえてきて」
低い声が聞こえた瞬間
バラバラと足音が色んな方向へ飛び散った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。