もし、私が樹くんのために生きてなかったとして
どういう風に生きているだろう
全く想像ができない
「自由に生きていたとしても私はみなさんを駒には出来ません。大切な樹くんの仲間ですから」
私の言葉を静かに聞いてくれる
「いつも通り接してください。腫れ物扱いしなくて大丈夫です」
私がそう言うと
部屋の外がガヤガヤとだんだんうるさくなってきた
照「あなた、後ろにいて」
立たされてそれから岩本さんの後ろに隠された
ガタンガタンと大きな音を立てて近づいてくる何か
それは容赦なくこの部屋の扉を開けた
大介「おーい、やってる?」
みなさんの肩の力がフッと抜けるのがわかった
大我「なんだ、さっくんか」
大介「俺でーす」
テヘとおちゃらけていたら
佐久間さんがどんと押され
次々と人が入って来た
翔太「涼太閉めろ閉めろ!」
バタンと音を立てて扉が閉まり
ガチャッと鍵がかかった
辰哉「んで、何事?」
亮平「いや、こっちが聞きたいんだけど」
どういう訳か様子を聞く大学生組
私達はまたソファーに座って話し始める
北斗「学校に来たらあなたがいじめられてて。それでここに」
涼太「ふっかと話が違うけどどういう事かな」
ピリリと空気が張り詰めた
思わず私は息をとめた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!