しばらくみんなのたまり場は私の部屋になっていた
多くの人が私の部屋を出入りした
それも今日で終わるだろう
「いってきます」
今日から私は学校に復帰する
久しぶりの通学路をゆっくり歩く
ミキ「あなたちゃん」
ドキッとした
背筋がピンと伸びて
喉がキュッとしまる
ミキ「あなたちゃんだよね?」
ゆっくり視界にミキさんが入る
ミキ「よかった、あってた」
ふふってにっこり笑う
ミキ「あのね、今までのこと謝らせて。本当にごめんなさい。こんな事で許されるはずないけど、ごめんなさい。」
私の目の前でミキさんが頭下げた
「あの、ミキさん、顔、あげて・・・」
ミキ「ダメだよ。あなたちゃんは優しすぎる。許さなくたっていいのに」
無理やり顔を上げてもらうと
ミキさんは少しやつれてるように見えた
「お気持ちだけでも嬉しいですよ」
そう言うとミキさんは静かに笑った
ミキ「ねぇ、今度は私と友達になってくれるかな・・・?」
困ったような笑顔に私は
「もちろんですよ」
と答えた
ミキ「じゃあさ、さっそくなんだけど・・・。放課後遊ばない?私、駅で待ってる」
「わかりました」
ミキ「もう、敬語はいいよ?」
ミキさんに甘えて
「ありがとう」
敬語をやめることにした
ミキ「じゃあ、放課後ね」
「うん」
バイバイってして別れた
なんだか朝から気分がいい
幸せに満ち溢れてる
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。