ここに来る前
私は片親でお父さんに育てられていた
小さな頃から樹くんと遊んでいて
その頃から樹くんの事が大好きだった
樹「大きくなったら結婚しようね」
「結婚?」
樹「パパとママになるんだよ」
「私、ママいないからわかんないや」
そういった私に樹くんは
樹「じゃあ俺のお姫様になるってこと!これならわかるでしょ」
と笑った
その笑顔がとってもかっこよくて
この人のお姫様になりたいって思った
ずっとずっと。
小学校に入ると私のお父さんは変わった
毎日私に手を上げるようになった
樹「お前、ここどうした?」
朝会うとそう聞いてくれた
私は他の人に言ったら殺すと言われてたから
「ぶつけちゃって」
とヘラヘラ笑うことしか出来なかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!