数日後
私は学校に復帰した
「なに、これ・・・」
下駄箱で見たのは
自分の上履きがズタズタに切り刻まれ
挙句泥水や雑巾まで敷き詰められていた
周りはクスクスと笑う声が聞こえる
仕方なく私は靴下のまま教室に向かった
何も無くてよかったとほっとして席につくと
すぐ後ろに殺意が向けられる
振り返ろうとしたとき
バシャーンと水が降ってきた
蓮「ちょ、お前ら何してんだよ!!」
ちょうど登校してきた蓮は慌てて私を教室から出す
蓮「これジャージ、着替えておいで。ここで見張っとくから」
何が何だかわからないまま
私は蓮のジャージに着替えた
慎太郎「あなた」
着替え終わると慎太郎とジェシも登校していた
蓮「帰ろ」
そう私に言う
蓮「無理してまでいる必要なくない?」
ねぇ?と私の顔を覗き見る蓮
私は未だ理解が出来ずにいる
ミキ「あ!」
今日1番聞きたくない声がした
ミキ「あなたちゃんって運が強いのかなぁ?ムカつくんだよね。なんで樹の家にいるの?召使いさん??まぁなんでもいいや。私の前から消えてくれないなら私が消すしかないよね」
にっこり笑って私の肩を叩いて
それから綺麗な笑顔で
ミキ「樹!おはよ」
って彼に笑いかける
彼も彼女に微笑みながら
樹「おはよ」
って言ってる
どうやって胸の内を説明したらいいのかわからない
でもひとつだけわかった
これは全部ミキさんの仕業だ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。