第10話

なーくんside
俺は仕事が押してて、遅れて来たんだけど





こんな状況になっているとは思って無かった














さとみくんがメンバーにも言えない過去が
ある事は、見ていてすぐに分かった




楽しく話しているはずなのにどこか上の空
笑っている瞳の奥には
常に辛そうなさとみくんがいた




だんだんと思いっきり笑う事も無くなっていった





愛想笑いばかり







でも、俺らにはどうする事も出来なかった








声を掛けるにしても、
何て声を掛けたらいいか分からなかった

「大丈夫だよ」と言っても、それがさとみくんに
届くことはないとみんな分かっていた













さとみくんは1人で抱え込むくせがあって

辛い事があったとしても
話してくれないことがほとんどだ



















過去にも何度か
こういう場面を見かけたことがある










何回もすぐに止めようと思った







でも、止めた後、俺には何が出来る?


俺にはさとみくんを救うことは出来ないだろう







そう思うと動く足も動かなかった

























そんな中であなたちゃんが入ってきた




始めは女の人に振付をして貰うのは
どうかなと思っていた










メンバー目当てで
入って来る子もいるからね、、、、、、




















でも、あなたちゃんはそんな俺の気持ちを
見事に覆していった




メンバー全員に気さくに話しかけてくれて




かといって踏み込み過ぎたと感じれば
波の様に去っていく




とても気の使える子だ









あなた

さとみくんは絶対に間違っていないと思います

あなた

悪くないと思います

この言葉を聞いて気づいた


















さとみくんの気持ちを
尊重する事が大事だったんだ、と


































さとみくんならもう大丈夫だ



泣いてはいるが


今までに見た事が無いような、
明るく、スッキリとした表情をしている




さとみくんなら自分の力で、
前へ前と進むことが出来る












ありがとうあなたちゃん
















良かったね、さとみくん