な なんなのこれ ⋯⋯!!
『 風磨くんってば!起きて!』
この状況に耐えられなくなって 大声で名前を呼んだ
風磨 「 ⋯⋯ ん なに 」
ようやく目を覚ましてくれた様子の風磨くん
『 な 何じゃない!なんで私のベッドで寝てるの!』
風磨 「 ⋯⋯ 知らない 部屋間違えたんじゃない?」
まだ眠いのか 声があまり出ていない
機嫌が悪そうだし 自分がどんなことをしているのか自覚していない
普通ならこの状況 おかしいってなるから!
少しは申し訳なさそうにしてよ
なのに 悪びれた様子は これっぽちもない
風磨くんの自由な性格は どこまでなんだろうってなる
『 こ ここ 私のベットなの!今すぐ 自分の部屋に戻って!』
風磨 「 んー まだ離れちゃダメ 」
引き離そうとしたら さらに抱き寄せられてしまって 完全に抱き枕状態にされてしまった
こ こんなのにドキドキしちゃいけないって 頭ではわかってるのに
近すぎる距離感に ドキドキさせられてしまう
『 うう ⋯⋯ むりぃ ⋯⋯!!』
風磨くんは こんなことするの慣れているかもしれないけど 私は全く慣れていない
そもそも男の子に こんなふうに抱きしめられたことないんだから ⋯⋯!
風磨くんの常に顔を埋めて 身動きが取れないまま
すると 風磨くんは少しずつ目が覚めてきたのか 上からフッと笑い声が聞こえた
それに反応して 埋めていた顔を上げると 意地悪そうに笑っている風磨くんが見えた
風磨 「 あなたって こーゆーの慣れてないんだ?」
バ バカにされてる
だけど 図星だから言い返す言葉がない
『 そ そんなことどうでもいいから 早く離し ⋯⋯ ひゃっ!』
薄いTシャツの上から 背中をツーっと指なぞられたせいで 変な声が出てしまった
風磨 「 いい声出すね 」
『 な 何言って ⋯⋯ 』
この人は 朝から頭のネジが外れているレベルで暴走している
『 い いい加減にしないと ⋯⋯ 』
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!