マサイは丁寧にカメラ操作の仕方を教えてくれた。
もう、わかんない…。
そう言って、マサイが私の手を取りボタンを2人で押した。
2人の手が重なって、"ドキン"と胸が高鳴る。
マサイが私の手を握ってる!?
意識しちゃうよ…
ドキドキしない訳ないじゃん!
鼓動がMAXに達しようとした時、マサイはようやく私の手を離した。
マサイがにっこり笑った。
爽やかな笑顔で、その横顔に惚れた。
うわーっ、ドキドキした!
シルクはパソコンから離れ、モトキを呼んで今日のメンツがあの場所に集合する。
みんなが。
ファンの子が見れてないこの瞬間。
まるでフィッシャーズのメンバーになったかのように、心の底から楽しめた。
声を出さないようにするのに必死で。
好きな人達が目の前にいるのに、まるでいつも動画を見ているのと変わず、心は満ちていった。
あの時には知れなかった特別感。
この時間。
この特別感。
延長希望。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!