第8話

延長希望。
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2019/05/04 12:14
マサイ
えっとー、ここのボタンがオンオフ〜。ここで録画〜。ここでズーム。
マサイは丁寧にカメラ操作の仕方を教えてくれた。
マサイ
…これくらいかな?じゃ。テスト!スタート!まず電源を入れてー???
あなた

えっと、うーんと。

もう、わかんない…。
マサイ
録画ボタンだよ!
あなた

ロクガ…ボタン???

マサイ
ここここ!
そう言って、マサイが私の手を取りボタンを2人で押した。
2人の手が重なって、"ドキン"と胸が高鳴る。
マサイが私の手を握ってる!?
意識しちゃうよ…
マサイ
何?あ、ごめんなさい 笑
もしかしてあなた…意識した 笑?
あなた

か、からかわないでください…

ドキドキしない訳ないじゃん!
鼓動がMAXに達しようとした時、マサイはようやく私の手を離した。
あなた

で、でもあっありがとうございます。

マサイ
ふふ〜♪
マサイ
次は、ズームね!ゆっくり〜ゆっくり〜!
あなた

ゆっくり〜ゆっくり〜

マサイ
いい感じだね!
マサイがにっこり笑った。
爽やかな笑顔で、その横顔に惚れた。
マサイ
はいこれで終了!
うわーっ、ドキドキした!
ンダホ
みんな!マサイ先生のカメラ教室おわったみたいだよ〜!
シルク
じゃ〜!動画撮るか!
あなた

では、いきまーす!5秒前!4!3!2!

シルクはパソコンから離れ、モトキを呼んで今日のメンツがあの場所に集合する。
シルク
どうもフィッシャーズ、シルクです!
ンダホ
ンダホッ!
マサイ
マサァアイ…
モトキ
モトキでーす。
シルク
今日は!あるお店で見つけた…
みんなが。
ファンの子が見れてないこの瞬間。
まるでフィッシャーズのメンバーになったかのように、心の底から楽しめた。
声を出さないようにするのに必死で。
好きな人達が目の前にいるのに、まるでいつも動画を見ているのと変わず、心は満ちていった。
あの時画面の前に居る時には知れなかった特別感。
この時間。
この特別感。
延長希望。

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