第17話

好きなまま
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2019/10/25 14:43

あなた「 ただいま ~ … って、いるわけ…」
晴人「 あなたっ…?」

え、嘘…
私は自分の耳を疑って、急いで部屋に入る。


晴人じゃない誰か…?


だって、晴人はさっき…
急いで晴人の所へ向かっていた足が止まる。
すると、ドアの向こうから覗いた。


やっぱり晴人で

晴人「 おかえり。」

何事もなかったかのような顔で私を迎える。
どういう意味…?


私が見たのは人違いだった…?

あなた「 ただいま…?」
晴人「 ふはっ、あなた、どうしたの?」
あなた「 え?」
晴人「 なんか、変な顔してる。」

そう言って、私の顔を両手で挟まれる瞬間。


私の体は瞬時に抵抗してて、
晴人の顔…見れない。


怒ってる…?

晴人「 …あなた?」
あなた「 …ご、ごめん、その、お風呂行っ… !」

お風呂に逃げようとしたら


晴人に腕を掴まれて
壁に押さえつけられた。

あなた「 いっ…、晴人?」
晴人「 何?なんか逃げてる?」
あなた「 逃げてなんか…ない!」
晴人「 ずっと目会わないし…嫌われたかと思った…」

そう小さくなっていく声とともに


晴人の頭が私の肩にトン、と乗っかる。
そんな…


嫌われた…って、別に嫌いじゃ…
むしろ…す…

晴人「 …俺の事好きだよね…あなた?」

なんていえばいいの?


好き?


嫌い?

あなた「 …晴人は?」
晴人「 俺?」
あなた「 晴人は私のこと好きなの…?」

最近、ずっと聞きたかったこと。

晴人「 好きだけど?なんで?」

その言葉が出てきた瞬間、ホッとして腰が抜けた。
まだ、好きでいてくれたんだ。


そう思うと、心は暖かくなるけど


あの時見た、彼は誰だったのだろうか。


…晴人なの?

あなた「 晴人、」
晴人「 ん?」
あなた「 家に帰ってくるまでどこにいた?」
晴人「 ええっと、会社から
そのまま直帰したからどこも行ってないかな。」
あなた「 本当、?」
晴人「 うん。本当。」

ここは、私、ちゃんと信じた方がいい?


さっきの彼は晴人じゃないって信じていいの?

あなた「 …そっか、ならお風呂行ってくる。」
晴人「 行ってらっしゃい!」

その笑顔。


やっぱり嫌いになれない。


私はまだ晴人が好きなまま。


心の中で大きくなってるものは晴人で


消すことなんか、、今は出来ない。
どうしよう。


……晴人、浮気してないよね。


もしあれが本当なら私は、遊ばれてる?


利用されてる?
結婚前提で付き合ってる私なのに


なんでこんなにも不安なんだろう。


不安でたまらない。

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