第18話

対抗心
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2019/10/25 22:47
亜嵐side

仕事を終えて、メンバーで飲みに行こうとなった時。


珍しく、裕太くんが外出中で。

亜嵐「 あれ、裕太くんは?」
龍友「 さっき飛ぶようにどっかいったで。」
亜嵐「 飛ぶように…?」

裕太くんが?


そんな、飛んでまで急がなきゃいけないことなんかある?
俺は裕太くんに電話しようと携帯を出して


裕太くんを探していたら
受信着信の欄に


出た覚えのない、あなたからの電話。
あれ、いつでたっけ。


その前は玲於からだし、この記憶はある。
とりあえず、裕太くんに電話と。

prrrrrrrr…

裕太「 もしもし?」
亜嵐「 あなた、なんかあった!?」
裕太「 俺は中務やけど?」
亜嵐「 龍友くんから聞いた!飛んで出て行ったって」

もしかして、裕太くんはあなたからの電話をでて


飛んで出て行ったのか。


それだと、何となく辻褄が合う気がする。
裕太「 俺からは何も言えへん。
直接あなたちゃんから聞きや。」
亜嵐「 そんな深刻な悩みか…、
あの時取材じゃなかったら良かったぁ…」
裕太「 とりあえず、早く電話したり?」
亜嵐「 ありがとう!裕太くん!」
裕太「 ん ~ 。」

んで…俺は、何を言いたかったのか。


あなたからの電話は裕太くんが出てくれたってことは分かったし、


他は…?
あ、

亜嵐「 あ、裕太くん明日8時集合だからね。
すっごいハードスケジュール。」
裕太「 …ほんなら、体調不良って言っといて。」
亜嵐「 休ませませんけど!?」
裕太「 分かっとるわ、ちゃんと行く。」
亜嵐「 遅刻はダメだよ。メンさんと一緒だよ。」


裕太「 一緒にすんな!」

こう言えば、みんな嫌がって‪遅刻しずに、来てくれる。


メンさん助かってる。


って、一方的に彼は遅刻の常習犯だけど。


それでも最年長か!ってマネに怒られてる。笑

亜嵐「 ふふっ、なら早く来てね。ありがと!おやすみ ~ !」
裕太「 おやすみ 」

よし、と、電源を落とすと


みんなからの呆れた目が痛かった。

亜嵐「 え?」
玲於「 え?じゃないし!笑」
隼「 亜嵐くんって馬鹿なんですか?」
亜嵐「 おい、笑」
龍友「 なんのために電話かけてんねん!飲みに誘うためやろ!?
亜嵐くんの幼馴染の確認ちゃうねん。」
亜嵐「 あ!そうじゃん!そうだそうだ!何か忘れてるような気がしててさ…」

やっと思い出した…


スッキリ。


けど、メンバーからは言われ放題。
馬鹿だとか抜けてるだとかポンコツだとか。


な、なんとでも言えっ!

prrrrrrrr…

裕太「 も ~ 、なんやねん!」

もしもし、と優しい声じゃなくて


ちょっと面倒くさがってる裕太くんの声。

亜嵐「 ごめん!今からメンバーで飲むんだけど!」
裕太「 どこ?」
亜嵐「 いつもの飲み屋!」
裕太「 ほんなら直接向かうわ ~ 。」
亜嵐「 了解、またね!」
裕太「 はいはい、」

切れた電話。
フッ軽だな、裕太くんは。

亜嵐「 俺達も向かお ~ 。」
玲於「 やっとか、どっかのぽんこつさんが
時間掛けたせいでちょっと俺の計画時間遅れた。」
亜嵐「 ごめんねって、玲於 ~ 。」

玲於はマイペース。


極度の。
自分の時間ずらされるとすっげぇ、怒んだよ、笑
俺らは、車に乗り込んでいつもの飲み屋さんに向かう。


…あ、、あなたに電話かけないと、

マネ「 亜嵐くん、これってどういうスタンスなんですか?」
亜嵐「 あ、えっと、それは、」

かけようと取り出した携帯をもう一度閉まった。
いつ掛けられるかな…


遅くなんのは、避けたいけど…

マネ「 ありがとうございます。」
亜嵐「 いえいえ、」

と、あなたに電話をかける時間が出来て

prrrrrrrr…

prrrrrrrr…

prrrrrrrr…

いつもなら、2コール目で出てくれるのに。
…出ないかぁ、
切ろうとした時。
コールが止まったから、

亜嵐「 あなた?さっきどうした?」

何も返ってこない返答。

亜嵐「 もしもし?」

あれ、間違えた?


確認してみるけど、ちゃんとあなたに繋がっている。

亜嵐「 もしも ~ し!」
「 あなたの彼氏ですけど。」

何この電話。


気まず。

亜嵐「 あ ~ 、そ、、そうですかぁ。」

横目で玲於に訴えるけど


気づいてるのにニヤニヤして助けてくんない。


わぁぁぁぁあ、ちゃんとこうして話すのは初めてだから


どこか対抗心を持って、緊張する。

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