第23話

優しくされたから
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2019/11/09 09:06
ミホさんと歩いてある時も


あの、笑顔


あの、声


あの、仕草


あの、表情
裕太さんの一つ一つがいつの間にか頭にインプットされてて


鮮明に覚えているんだよ。


私、どうしたんだろ。


ミホ「 どうしたの、さっきから。」
あなた「 え?」
ミホ「 なんか、ありそうな顔してるよ?お腹まだ減ってる?」

そうなら、いいな、


まだ、食べ足りないならそれでいい。

あなた「 食べ過ぎたんですかね、ぼーっとしちゃいます!」
ミホ「 食べ過ぎって、私の方がだけど!」
あなた「 ああ、エビフライとカツ丼ですか、笑 」
ミホ「 幸い、今日は合コンないからいいけどね ~ 。」
あなた「 合コンってみんなしつこいんじゃないんですか?」

そんなイメージ。

ミホ「 ううん!?そんなことないよ!」
あなた「 そうなんですか…?」
ミホ「 優しい人とか面白い人とかいるよ?」
あなた「 なるほど。」
ミホ「 私ね、1度だけ本気になっちゃった男性がいてさ、」

そう話し始めたミホさんの横顔は綺麗だったけど


どこか切ない様子。

ミホ「 すっごく優しくて、
合コン中も私の隣から離れなくてさ、
何回か遊びに行こうって
誘われて行ったことだってあるよ。
私、こう見えて単純だし、
そのさ、期待しちゃうよって。けどさ、」

そういうミホさんの目はちょっとずつ潤んでいる。

ミホ「 既婚者だったって知った時はショックだったなぁ、」

何かが切れたかのように零れ落ちた涙。


初めて見た、ミホさんの涙。

ミホ「 既婚者ならそんな態度して欲しくなかった、」
ミホ「 勝手に舞い上がってるの、馬鹿みたいで、」

馬鹿なんかじゃない。


ミホさんは、悪くない。


そう言いたかったのに、なかなか声に出せず

ミホ「 ごめんね、こんな話!」
あなた「 いやっ、そんなことないです。」

やっぱり優しくされるとそういう思いになるよね。


そうだ、私はそんな感じだ。


会った回数も少ない。


話した回数も片手に収まるぐらいなのに


ちょっと優しくされたからって私も勘違いしかけていた。
危ない。
裕太さんのことが頭から離れないのは


優しくされたから。


私、そういう経験少ないから分かんなかったんだな。

あなた「 ミホさん、話してくれて嬉しいです。」
ミホ「 泣いちゃったなぁ、」
あなた「 いつでも話してくださいね!」
ミホ「 ありがとう ~ 。」








まこに会える予定が出来ました(((^-^)))♥️

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